工程管理・プロジェクト管理業務を効率化する
プロジェクト管理システム「SynViz S2」
製造現場における計画立案の課題は多かった。正確な生産計画を立案できない、立案後の進捗状況が見えない、計画を柔軟に変更できない、確実な納期をお客様に伝えられない…。これらを解決するために、建築鉄骨のリーディングカンパニー株式会社角藤様が活用しているのが日立ソリューションズ東日本の提供する工程管理システムである。
前身となる『idea-plus』を導入し、確実な納期が顧客の信頼を獲得。それまで北関東や一部中部地方が中心だった商圏が急速に広がり、首都圏などの大型案件の受注に成功した。現在は『SynViz S2』にバージョンアップし、引き続き大きな期待を寄せており、シリーズでの使用歴はすでに15年以上に及ぶ。同業他社はもちろん、お客様となる大手ゼネコンも見学に来るほどの、鮮やかな成功事例となっている。
【写真(手前)】:株式会社角藤 鉄構事業部 生産管理システム開発室 室長 永井 至 氏
【写真(奥)】:株式会社角藤 鉄構事業部 営業管理室 室長 簾田 直木 氏
【写真(中央)】:株式会社角藤 鉄構事業部 生産計画課 宮坂 淳一 氏
長野県長野市に本社を置く専門工事業者 株式会社角藤様。1933(昭和8)年に創業し、変遷する時代のニーズに応え、現在では金属系・セメント系の各種建築資材の販売・施工、各種土木工事および建築基礎工事の施工、鉄骨・橋梁の設計・製作・施工・技術サービスなどの事業を展開している。
そして今回、『SynViz S2』を導入したのが各種大型施設・ビル等の鉄骨の設計・製造・施工を行う鉄構事業部である。鉄構事業部の開設は1959(昭和34)年、長野県長野市の長野工場と長野県上高井郡の日滝原工場の2工場で鉄骨を生産している。長野工場は64,167m2(19,444坪)、日滝原工場は66,224m2(20.068坪)、合わせて7,000トン/月の生産能力を誇る。
長野工場はSグレードを認定されており、これだけの生産能力でSグレードは国内トップクラスである。
永井氏
「早くから生産能力も技術にも優れていました。しかし、管理能力が不足していました」と、鉄構事業部 生産管理システム開発室 室長 永井 至 氏は振り返る。
--「あのころは手書きで工程表を作成していました。パソコンの表計算ソフトで見た目良くつくることもありましたが、変更に手間がかかり、現場を正確に把握することは困難なことでした」と、永井氏。
この課題を解決するために、生産管理システムの導入が永井氏に命ぜられた。
信頼性の高いスケジュール作成ができること、お客様に納期を確約できること、進捗状況を確実に把握できること、スケジュールが変更になっても即応できること、が条件として示された。
当時、鉄骨業界において工程管理システムは珍しかった。そんな中で見つけたのが、日立ソリューションズ東日本の提供するプロジェクト管理統合プラットフォーム『SynViz S2』の前身となる『idea-plus』であり、その適用・システム構築を株式会社日立ソリューションズと共同で行った。
簾田氏
限られたいくつかの生産管理システムを検討し、『idea-plus』が有力な候補となった。
--「柔軟性に優れていました。こちらの細かな要求にすべて応えてくれました。これならば今までと同じ手順で仕事ができるのではないかと期待できました」と、当時永井氏とともにシステムを検討していた営業管理室 室長 簾田 直木 氏は振り返る。
3年の構想を経て2000年から稼働。その後の活躍には目を見張る物がある。例えば当時、世界を席巻していたトップブランドの工場建設の鉄骨納入メーカーとして選定された。
--「競業の多い入札でしたが、当社の透明性の高い納品スケジュールが認められました」(永井氏)
このブランドを含め、関西のみならず首都圏、さらには都内の超高層ビル等の案件を持ちかけられるようになる。
しかし、『idea-plus』はクライアント・サーバ型システムであり、クライアントOSのバージョンアップに手間がかかる。見える化できる範囲は自社工場のみに留まっており、より大型な案件受注には、協力会社も含めたすべての生産能力の計画と把握が必要であった。正確な納期確認には協力会社の進捗管理の把握が不可欠になるが、『idea-plus』には限界があった。
そこで、Windows XPからバージョンアップも迫られ、2014年4月からシステム刷新の検討を開始している。毎年「設計製造ソリューション」に足を運んでいることもあり、『SynViz S2』の進化に注目した。
--「Webベースで他社製品と比べて、操作性は優れていたと思います。洗練されていると感じました。」(永井氏)。
『SynViz S2』であればパッケージのインストールは不要ですし、クライアントOSに左右されない。お客様である大手ゼネコンの要求するより精度の高い納期を伝えることができる。加えて『idea-plus』では他システムとの連携性が乏しく、発注状況などを確認することができない。これに対し、『SynViz S2』は柔軟なインタフェースを提供しており、既存システムとのデータ連携に優れている。
『SynViz S2』を核に、必要な各種システムのデータを参照できるのである。将来性や拡張性のほか、基本となる工程表編集の操作性にも優れている。自プロジェクトのガントチャートの上下に1つずつ、他のプロジェクトのガントチャートを表示できるガントチャート多段表示機能も好評だ。
宮坂氏
基本設計は2015年7月から開始し、『SynViz S2』採用が決定したのが、同年9月。発注と同時にプログラム開発にとりかかっている。テストを終了し、本格稼働したのは2016年1月からのことである。
--「予想以上にスムーズに開発と移行することができました」と、担当した鉄構事業部 生産計画課 宮坂 淳一 氏は微笑む。
機能面における主な変更は3つある。
1つ目は協力会社の計画をシステムに反映し、加工先と製作工程表がわかるようにした。従来協力会社は表計算ソフトのみの管理であった。
2つ目は形鋼の発注をシステムで可能とし、発注・入荷状況が見えるようにした。従来はプレートに限られていた。
3つ目はヤードに置いてある製品の、名前と台数と重量を、掌握できるようにした。従来の機能ではヤードの積んでいる総量までは把握できていなかった。
このシステム刷新の前後のころから、同社では目を見張るような大型受注の獲得に成功し受注量が拡大している。
角藤様の現在とこれからの取り組みが3つある。
1つ目がサブシステムとの接続。
--「材料計画、作図計画、加工、発送まですべてが生産管理システムから見透せるのです。シンクロナイズド・ビジュアライズ(Synchronized Visualize)、まさにSynVizのSynVizたるゆえんがここにあるのです」と永井氏は強調した。
2つ目が数々の大型案件に現れている成長分野の開拓である。『SynViz S2』による工期の見える化・短縮・コスト削減を推し進め、超高層ビルを含む大型プロジェクトで、お客様のニーズに確実にお応えできる体制づくりを進めている。
3つ目が専門技術の向上。ゼネコンからは量だけではない難度の高い仕事も入るようになった。これに対応するために、国内では初となる板厚75mmの極厚・高強度鋼材の施工に成功している。
もっとも不満もあるという。
--「ガントチャートでの日程の文字が黒色であるため、背景色として濃い目の色を使うと認識しづらい。白抜きの文字もできるようにリクエストしています」(永井氏)。
SynVizはお客様の要求に応え、お客様とともに成長していく。
社名 |
株式会社角藤 |
---|---|
設立 |
1933(昭和8)年3月18日 |
本社 |
〒381-8686 長野県長野市南屋島515番地 |
資本金 |
4億5,150万円 |
従業員数 |
597名 |
事業内容 |
■ 金属系・セメント系の各種建築資材の販売・施工事業 |
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