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【 需要予測と在庫可視化で効果倍増!在庫削減の基本ノート 】【 価格や見積もりについてのお問い合わせ 】
在庫の評価について、多くの企業では四半期毎の有価証券報告書の中にある、貸借対照表—流動資産—棚卸資産で把握し、損益計算書の原価と比較し確認しています。そして各部門の販売や在庫の管理は、月次集計で月末在庫金額数値や月間販売合計が表示される企業が多いと思います。
しかし、本当にこのような在庫把握で、正確な状況を判断できているのでしょうか。確かに生産量-販売量が在庫ですから、期の総括を表す財務三表で表示される結果は正しいのですが、在庫特性を正しく判断し、在庫を適正化するためのデータとしては、決算の日や月次の在庫額を見るだけでは不十分なのです。
図3はある販売チャネルの日々の在庫推移です。3月末、9月末の決算期だけ、在庫が減少しています。
これは期末周辺だけ生産量を減らすことで、棚卸資産を最少化しているのです。このチャネルの2014年期間販売合計は8,030(表1)、期末在庫520に対し2015年は期間販売合計7,800、期末在庫521でした。在庫回転数2014年が15.4回、2015年は15回と97%に悪化。在庫日数は2014年が23日、2015年24日で104%に悪化しました。この結果が期末に報告されます。これが年度管理しかされない在庫評価の恐ろしさです。
実は平均在庫は2014年と比較して88%に良化しています。日次で管理をしていれば、在庫回転では111%に良化し、在庫日数は89%に減少させていることが判ります。期末だけの管理では悪化していると評価される在庫管理が、実際の在庫適正化は良化させているのです。そして最も恐ろしいのは、24日間の売上資金(2015年)があれば良いと判断することです。
実は最低でも32日の資金が必要となるのですが、一般的に見ることが出来ていないのが現状です。この状態を見ても、棚卸資産だけの評価は出来ないことが判ります。在庫適正化の最大目的はキャッシュフローの良化です。日々の支出をいかに抑えるかが大切なのですが、在庫に対してはまだまだその整備と意識が成長していないと言えます。
多くの企業では、生・販・在(PSI)管理を月次で行っています。特に販売の最小管理期間が月間のため、全ての機軸が月次になってしまいます。
しかし、この期間集計での判断が生産・在庫にとっては大きな誤差を生んでしまうのです。図4はA商品の日々在庫推移(緑の面グラフ)と、月末在庫の折れ線グラフ(赤線)です。このグラフを見ると、月末在庫では大きな変化は見られません。
ですが、日々の在庫推移を見ると、在庫は増加傾向にあります。特に在庫推移の下限となるグラフの谷の部分になっている在庫が増加し、平均在庫が膨れ上がっているのがわかります。月末報告で見て安心しているうちに、在庫はジワジワと気付かず増加しているのです。
それは図5にあるように販売額がゆっくりと低下しているのが要因です。そして、この実情を把握するのに月次管理ではしばらく経過してからでないと気付くのが困難なのです。
この現実を見ると次のことが言えると思います。1回目「3.(2)」でも記述しましたが、営業部門のKPIは目標販売額と利益の確保です。目標の販売額を確保するためには、日々の実績を見ながら売り方の是正を行っています。営業は目標合計数値の達成に向け、最終的にはどの製品でも販売しても良いことになります。
よって、現在の月次管理構造では、営業から不足しそうな品種の生産要望や販売の見込み情報は頻繁に入りますが、売れ行きがゆっくりと低下している品種の情報は入りません。商品ごとの悪化の実情は、生産数量の調整を行うSCM部門が独自に把握するしか方法がないと言えます。
下の表2は、在庫の推移とスタート(11/2)を100%とした時の増減率を表したExcel表です。
そして、表3が月間売上です。以上の二つの表を見て、この在庫が適正かどうかの即答をするのは困難ではないでしょうか。
結局、Excel表で日次の在庫推移を見ても判断できないため、月次で管理するしか方法が無かったのです。
しかし、月次管理では2章のように正確に在庫を判断することは困難なのです。実は表2のExcelの在庫データをグラフにすると図6のようになります。増加しているのが一目でわかると思います。
このように、日次の時系列グラフで表現すると、非常にわかりやすく、判断が早まるこがと判ります。
この商品は、当初の在庫量が5,000前後で推移していたのが、いつの間にか25,000(5倍)にまで増加しています。月間販売量は逆に減少しているので、回転していると商品はいえ、大きな課題です。最低在庫を圧縮しなければなりません。これが可視化により判断を早め、より正しい戦略を組み立てることになるのですが、数千から多い企業は数万以上ある品種に対し、全てグラフ表示する時間は膨大にかかり、完成した時には違う在庫数になっているのです。これでは誰も相手にしてくれません。
また、静かに増えている在庫を見つけるには、全ての在庫を一瞬で判断する効率性も必要なのです。そこで次回は、静かに増える問題在庫による課題をご説明します。
第3回 生・販・在 可視化と日次管理の必要性(2)
【2】全ての品種の生産・販売・在庫を管理する必要性
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