ページの本文へ

Hitachi

AIエージェント導入の課題とは?ベンダー選びの3つのポイントと伴走支援を解説

watsonx|業務を実行するビジネスAIプラットフォーム

生成AIの活用が広がるなか、人間に代わって企業の業務を実行する「AIエージェント」への注目が高まっています。労働力不足への対応やコスト削減に向け、定型的・煩雑な作業を効率化し、限られた人材を付加価値の高い業務に振り分ける手段として期待されています。

ただ、適切な活用方法は企業の業務や課題、既存システムなどによって異なります。AIエージェント導入を成功に導くには、自社の状況を踏まえた検討と適切な支援体制を持つベンダー選びが重要です。本記事では、企業が抱えがちな課題やベンダー選びのポイント、日立ソリューションズ東日本による伴走支援について紹介します。

【 関連コラム 】
■ AIエージェントとは?生成AIとの違いや活用事例をわかりやすく解説
■ AIエージェントのおすすめ製品と選び方|導入を成功させるためのステップ

重要課題はAIエージェントを導入する業務の優先順位付け

AIエージェントの導入を検討する企業は、一般的にさまざまな課題を抱えています。

たとえば「自社だけでは業務整理や実装を進められない」「社内データや既存システムとの連携が必要になる」「PoC(Proof of Concept/概念実証)を実施しても実務利用へ移行できない」「セキュリティや権限を含めた運用設計が難しい」「一部門で成果を確認したうえで段階的に展開したいが進め方がわからない」といったケースがあります。

特に、AIエージェントを導入する業務の優先順位付けは、多くの企業が直面する課題です。
AIの活用で効率化できそうな業務をリストアップすると、複数の候補が見つかることがあります。しかし、そのすべてにAIエージェントを同時に導入することは現実的ではありません。自社の業務を整理したうえで、導入する業務の優先順位を決める必要があるのです。

優先順位を決める際には、AIエージェントの導入によって期待できる効果を検討します。「対象業務を担当している従業員は何名か」「導入によってどの程度の業務効率化を見込めるのか」といった点を確認しなければなりません。また、「AIエージェントを実際の業務に適用できるのか」「どの程度の難易度で実現できるのか」なども考慮する必要があります。

対象となる業務を担当する従業員が少なければ、AIエージェントの開発・導入による効果は限定的です。また、期待できる効果が大きくても実現の難易度が高すぎれば、十分な精度を確保できず、PoCの段階から先へ進めないことも考えられます。
このように、期待できる効果と実現の難易度を比較しながら、AIエージェントの導入に取り組む業務の優先順位を決定するのです。

AIエージェントの導入には開発や検証にコストがかかります。取り組む業務の優先順位付けを誤ると、投資に見合う十分なROI(Return On Investment/費用対効果)を実現できない可能性があるため、十分な検討が必要です。

AIエージェントの導入を成功させるベンダー選びの3つのポイント

AIエージェントの導入を進めるには、ソリューションや製品そのものだけでなく、導入前の検討から運用開始後のケアまで、どのような支援を受けられるのかも確認する必要があります。それでは、AIエージェントの導入を一緒に進めるベンダーを選ぶには、どのような点を重視すればよいでしょうか。

業務の整理からAIエージェントの適用業務の選定まで支援してくれるか

まず大切なポイントは、企業の業務や課題を理解したうえで、どの業務にAIエージェントを活用すべきかを一緒に検討してくれるベンダーを選ぶことです。AIエージェントを導入する際、活用する業務が最初から決まっているとは限りません。まずは自社の業務を整理し、そのなかからAIエージェントに任せる業務を選定する必要があります。

その際に重要なのが、AIエージェントに適した業務を見極めることです。多くの従業員が共通して煩雑さを感じている業務や、時間や手間がかかり負担を感じている作業は、AIエージェントの適用を検討しやすいものだと考えられます。たとえば、膨大な情報をもとに提案書や資料の原案を作成する作業などは、AIエージェントに任せやすい業務です。AIエージェントが必要な情報を収集して資料の初稿を作成することで、人間の作業時間の大幅な短縮や負担軽減につながります。

この他、システム障害の原因の見当をつける作業も、AIエージェントの活用を検討できる業務の一つです。たとえば、過去の情報やデータなどをもとに、考えられる原因や確認すべき項目を提示させることで、人による対応を支援できます。

一方で、社員の長年の経験によって培われた専門的なノウハウが必要な仕事まで、AIに任せるのが適切であるとは限りません。こういった仕事には、その社員だからこそ生み出せる価値がある可能性があるからです。
AIにすべてを任せることを前提にするのではなく、人とAIの役割を適切に分けることが重要です。

ただ、自社内でこれらを判断するのは困難である場合があります。自社の業務を整理したうえで、AIエージェントに任せる業務や人間が担うべき業務を検討し、適用する業務や範囲の選定まで支援してくれるベンダーを選ぶとよいでしょう。

PoCによる業務適合性と効果検証の支援があるか

PoCによって業務への適合性や導入効果を検証し、本番導入まで一貫して支援してくれるかどうかも、ベンダーを選ぶ際の重要なポイントです。
業務を整理したうえでAIエージェントを適用する業務を決めたとしても、そのまま本番導入に進めないことがあります。AIエージェントを実際に作ってみなければ、期待通りに作動するのか、本当にその業務に適用できるのかが判断できないからです。

そこで実施するのがPoCです。整理した業務や業務プロセスをもとに小規模のAIエージェントを作成したうえで、実際に動かしてみます。その結果を確認することで、AIエージェントが期待した通りの処理を行えるのか、当初想定していた業務プロセスの一部を実際に任せられるのかを検証できます。

たとえば、ある業務をAIエージェントに任せられる可能性があると判断しても、実際に構築してみると実業務への適用が難しいと判断せざるを得ないことがあります。逆に、小さな規模で試した結果、想定以上に業務を任せられそうであると判断できるケースもあるでしょう。

AIエージェントを導入する際は最初から大規模なものを作成するのではなく、小さく作ったうえで検証し、成功した取り組みを段階的に広げていくことが大切です。こうした一連の流れを支援してくれるかどうかも、ベンダー選びのポイントの一つです。

運用後の継続的な改善の支援があるか

AIエージェントは一度導入すれば目標達成というものではありません。運用開始後も利用状況や効果を確認しながら、継続的な改善を支援してくれるベンダーを選ぶことも重要です。AIモデルは日々進化を続けており、企業の業務も常に変化しています。そのため、一度導入したAIエージェントについても、運用状況に応じて再検討や新業務への適用が欠かせません。

また、導入したAIエージェントが実際に活用され、期待した効果を上げているかを定期的に確認することも重要です。たとえば、「1か月あたり100人の利用」を目標にAIエージェントを構築したとします。これを実際に利用した社員の数をデータで確認し、どの程度の業務効率化につながったかを確認するのです。

利用ユーザー数や実行回数などをKPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)に設定して定期的に確認することで、社員にどの程度利用されているのか、投資に見合う効果が得られているのかを把握できます。
その結果、十分に利用されていないことがわかったAIエージェントについては、改修や廃止の判断も必要になるかもしれません。一方で、導入当初は特定の業務だけを対象にしていたAIエージェントの適用範囲を、新たな業務に広げられる可能性もあります。

このように、作成したAIエージェントを維持するだけでなく、利用状況や効果を確認しながら改善・追加・見直しを続けていかなければなりません。AIエージェントのライフサイクルを継続的に支援してくれるかどうかも、ベンダー選びのポイントの一つといえるでしょう。

日立ソリューションズ東日本のAIエージェント伴走支援の6ステップ

日立ソリューションズ東日本では、「現状や課題の整理」から「適用業務の選定」「製品・システム構成の検討」「PoC」「本番導入」「運用・改善」まで、一連のプロセスを伴走支援しています。AIエージェントを導入する際の日立ソリューションズ東日本の伴走支援を紹介します。

現状・課題の整理

まず、AI活用への取り組み状況や業務上の課題を整理します。現在おこなっている業務や負担が生じている業務などを確認し、AIエージェント適用の候補を整理します。
また、将来的に目指す長期的なゴールについても確認が必要です。そのうえで、業務プロセス一覧や導入ロードマップなどを含む要件定義書を作成します。

AIエージェントの適用業務・範囲の検討

整理した業務プロセスをもとに、AIエージェントを適用する業務や適用範囲を検討します。
たとえば「レポート作成業務」のように一つの業務をまとめて捉えるのではなく、「システムからデータを抽出する」「データを加工する」「資料にまとめる」「上長や承認者に送信する」といった具体的な作業まで分解します。そのうえで、どこまでをAIエージェントに任せてシステム化するのか、どこを人が担うのかを決めていきます。

このように業務を具体的な作業単位にまで整理しながら業務プロセス一覧を更新して、どの作業にAIエージェントを適用するかを明確にしていきます。

製品・システム構成の検討

AIエージェントを適用する業務や範囲の決定後は、実現に必要な製品やプラットフォームを選定します。たとえばIBMのwatsonx OrchestrateやMicrosoftのCopilot Studioなど、AIエージェントの活用を実現するための製品やプラットフォームを候補として検討したうえで、すでに利用しているシステムやIT環境などの要件も考慮し、どの製品や構成が適しているのかを判断します。

また、AIエージェントを実際に利用するためには、既存のシステムやデータベースへのアクセスが必要です。たとえばオンプレミス環境にあるシステムへの認証や接続、権限管理など技術的な課題が見つかることもあります。こうした課題の解決方法を検討したうえで具体的なシステム構成を決定し、システム構成図やアーキテクチャなどを作成します。

PoC・効果検証

活用する製品やプラットフォームの決定後、まずは小規模でAIエージェントを作成し、製品選定やシステム構成の構築の際に検討したことの実現可能性を検証します。
検証の結果は主に3つに分けられます。まずは、問題なく実現できるケース。次に、多少の問題は残るものの追加対応すれば実現できそうなケース。そして、現時点での実現が難しいケースです。

問題なく実現できる場合は、必要なブラッシュアップをして本番導入へ進みます。追加対応すれば実現できそうな場合は、必要な工数や予算、実現による業務へのインパクトの大きさを踏まえ、本番導入に向けて対応するかどうかをお客様と一緒に検討します。現時点で実現が難しい場合は、導入を見送ることも考えられます。

AIエージェントの開発担当については、お客様のご希望や体制に応じて柔軟に支援します。日立ソリューションズ東日本がAIエージェントを継続的に開発する場合もあれば、最初のAIエージェントを日立ソリューションズ東日本とお客様とで一緒に作り、以降はお客様自身で内製するケースもあります。

本番導入

PoCで業務への適合性や効果を確認し、実際の業務で活用できると判断できたら、本番導入へ進みます。
本番導入にあたっては、AIエージェントを導入する業務の優先順を検討するなど計画を立てたうえで段階的に進めます。

情報システム部門などAIエージェントの管理者へは、利用状況のモニタリング方法や障害が発生した際の対応方法など、管理・運用に必要な事項の説明が不可欠です。また、業務部門のユーザーへはAIエージェントの立ち上げ方法や業務での使い方を実際に操作しながら説明するなど、利用開始に向けた周知や説明をすることもあります。

運用・改善

日立ソリューションズ東日本が重視しているのは、AIエージェントの導入自体ではなく、お客様の抱える課題の継続的な解決です。
まず、利用状況や効果を確認するためのKPIをお客様と一緒に検討します。たとえば「何名が利用しているか」「アクティブユーザー数はどれぐらいか」といった指標をモニタリングします。また、必要に応じてユーザーへのアンケートを実施し、満足度などを確認することもあります。

こうした結果をもとに「現在のAIエージェントをそのまま使い続けるのか」「機能を追加してより使いやすくするのか」「利用頻度の低い機能を残すのか、廃止するのか」などをお客様と一緒に判断。新たに発生した業務へのAIエージェントの適用[MK6.1]や、既存のAIエージェントの別業務への活用を検討することもあります。

このように、AIエージェントの導入から運用・改善まで継続的に伴走することで、実際の業務の課題解決につなげていきます。

日立ソリューションズ東日本の伴走支援をご活用いただきたい企業

AIエージェントを活用したいと考えていても、「何から始めればよいのかわからない」「自社内では導入を進めるリソースが足りない」といった悩みを抱えてしまうことは少なくありません。たとえば、次のような悩みはお客様からよく寄せられています。

  • AIエージェントをどの業務から始めるべきか決められない
  • 自社だけでは業務整理や実装を進められない
  • 社内データや既存システムとの連携が必要
  • PoCを実施しても実務利用へ移行できずにいる
  • セキュリティや権限などを含めた運用設計が必要
  • 一部門で成果を確認したうえで、段階的に展開したい

日立ソリューションズ東日本ではこうした悩みを持つお客様に、AIエージェントの導入を検討する段階から、PoC、本番導入、運用・改善まで伴走しています。

AIエージェントの活用を検討しているものの、どの業務から始めればよいのかわからない場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

watsonx Orchestrate 標準導入支援サービスのご紹介

AIエージェントによる業務効率化や自動化を検討している方向けに、watsonx Orchestrateの概要や活用事例、導入の進め方をまとめた資料です。環境構築からAIエージェント開発、運用保守、伴走型支援まで、導入から定着までの支援内容をご確認いただけます。

【 関連コラム 】
■ AIエージェントとは?生成AIとの違いや活用事例をわかりやすく解説
■ AIエージェントのおすすめ製品と選び方|導入を成功させるためのステップ

お問い合わせ・資料請求

掲載商品・ソリューションに関するお問い合わせは、
お問い合わせフォームからどうぞ

導入に関するどのようなご質問も受け付けております

掲載商品・ソリューションに関するお問い合わせは、お問い合わせフォームからどうぞ 掲載商品・ソリューションに関するお問い合わせは、お問い合わせフォームからどうぞ