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AIエージェントのおすすめ製品と選び方|導入を成功させるためのステップ

watsonx|業務を実行するビジネスAIプラットフォーム

AIエージェントには多くの製品があり、機能一覧を眺めるだけでは違いをつかみにくいものです。だからこそ、まず「何を実現したいのか」を明確にし、自社に必要な条件から候補を絞ることが欠かせません。
本記事では、AIエージェントの導入を検討している企業担当者に向けて、製品の種類や選び方、おすすめ製品、導入を成功へつなげるステップを解説します。

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AIエージェントは自社の課題に合わせた製品選びが重要

「AIエージェントを導入するなら、どの製品がおすすめなのか」。検討を始めたとき、まず気になるのはこの点ではないでしょうか。

大前提として、すべての企業に共通する最適な製品があるわけではありません。AIエージェントは製品によって、対応できる業務や外部システムとの連携方法、エージェントの構築・管理方法などに違いがあります。たとえば、Microsoft製品を中心に業務環境を構築している企業と、複数ベンダーのAIや基幹システムを横断して活用したい企業では、重視する条件が変わってきます。

そのため、製品名から比較を始めるのではなく、先に「どの業務課題を解決したいのか」「AIにどこまで任せたいのか」を整理しておくことが大切です。なお、製品を比較する前に、AIエージェントの基本的な特徴や生成AI・チャットボットとの違いを理解しておくと、自社に必要な機能も判断しやすくなるでしょう。

AIエージェントの主な種類

AIエージェントは、用途や導入方法によって大きく次の2タイプに分けて考えられます。

  • 幅広い業務に対応する汎用型
  • 特定の業務に対応する特化型

どのタイプが適しているかは、対象業務や求める専門性、既存システム、自社独自の要件によって変わります。

たとえば、複数部門へ展開したいなら汎用型が候補になりやすく、特定領域の課題解決を優先するなら特化型が適しているケースもあるでしょう。
また、既存システムとの連携や自社独自の業務フローへの対応が必要な場合は、それぞれのタイプでどこまで対応できるかを確認することも重要です。

大切なのは、「機能が多いか」だけを見ることではありません。それぞれがどのような企業や業務に向いているのかまで把握したうえで、自社に合うタイプを見極めましょう。

幅広い業務に対応する汎用型

汎用型は、特定の業務だけに用途を限定せず、情報収集や文書作成、データ分析、システム操作など、さまざまな仕事へ応用できるAIエージェントです。

営業やカスタマーサポート、バックオフィスなど複数の業務領域に展開しやすいため、全社的なAI活用を見据える企業にとって有力な選択肢になるでしょう。
もっとも、「汎用型ならどれを選んでも同じ」というわけではありません。複数のAIや業務システムを横断することに強みを持つ製品もあれば、Microsoft環境との連携を生かしやすいもの、独自のAIアプリケーション開発に向くものもあります。

つまり、対応できる業務の幅が広いことは共通していても、その活用の方向性には違いがあります。自社が将来どのようなAI活用を実現したいのかまで考えたうえで、製品を選ぶ必要があります。

特定の業務に対応する特化型

特化型は、営業支援やカスタマーサポート、人事労務など、特定の業務領域を想定して設計されたAIエージェントです。

業務固有のフローや必要な機能、専門知識などがあらかじめ組み込まれているため、解決したい課題が明確な場合は、導入後の業務適用まで進めやすいという特徴があります。
たとえば営業支援であれば、顧客情報の整理や商談履歴の分析、次のアクション提案など、その業務で頻繁に使う機能が用意されている製品もあります。

一方で、用途が明確である分、別の業務へ展開しようとしたときには制約が生じることもあるでしょう。
「まず何を解決したいか」がはっきりしている企業なら特化型が候補になりやすく、複数業務への展開を見据える場合は汎用型が適している可能性があります。導入時の使いやすさだけでなく、その先の広げ方まで考えることがポイントです。

自社に合ったAIエージェントを選ぶための5つのポイント

AIエージェント製品は、一見すると違いがわかりにくく、最初からすべてを細かな機能で横並びに比較すると判断しづらくなります。

そこで、まずは大きな条件から順番に確認し、段階的に候補を絞っていきましょう。

  1. 導入目的と対象業務に合っているか
  2. 必要なシステム・データと連携できるか
  3. AIに任せる範囲を適切に設計・制御できるか
  4. セキュリティ・ガバナンス要件を満たせるか
  5. 小さく始めて拡張でき、費用対効果を見込めるか

最初に「そもそも自社が実現したい業務に使えるのか」を確認し、その条件に合わない製品を外していきます。その後、連携性や制御、セキュリティといった詳細条件へ進めば、比較対象も自然と絞られていくはずです。
最終的に残った数製品について、PoCで実業務への適合性を確かめる。この流れで進めると、単なる機能表では見えない違いまで判断しやすくなるでしょう。

①:導入目的と対象業務に合っているか

最初に確認したいのは、その製品が自社の導入目的と対象業務に本当に合っているかという点です。

「AIエージェントを導入したい」というところから考えるのではなく、まず「どの業務の、何を改善したいのか」を具体化してみましょう。
たとえば、同じ申請業務でも「問い合わせに回答できればよい」のか、「必要なフォームを作成し、申請依頼まで進めたい」のかでは、求められる機能が異なります。営業支援や顧客対応でも同様でしょう。

ここでAIに任せたい範囲まで決めておけば、目的に合わない製品を早い段階で候補から外せます。
製品を見てから使い道を考えるのではなく、解決したい課題から必要な機能を逆算する。この順序が、製品選びで迷走しないための第一歩です。

②:必要なシステム・データと連携できるか

目的に合う製品を絞ったら、次は実際の業務に必要なシステムやデータへ接続できるかを確認します。

AIエージェントは単独で仕事をするわけではありません。顧客対応ならCRM、申請業務ならワークフローシステム、基幹業務ならERPなど、既存システムとの連携が必要になる場面は少なくないでしょう。
そのため、標準コネクターやAPIが用意されているか、独自システムへ接続する方法があるかといった点は、事前に確認しておきたいところです。

さらに、一つのシステムと接続できるだけで十分とは限りません。実際の業務が複数のSaaSやデータベース、既存AIをまたいでいるなら、それらを横断的に利用できるかどうかも重要です。
「AIそのものが高性能か」だけでなく、「仕事に必要な情報へアクセスし、処理までつなげられるか」という視点で評価しましょう。

③:AIに任せる範囲を適切に設計・制御できるか

AIエージェントの強みは、自ら判断しながら次の行動へ進める点にあります。ただし、自律性が高ければ高いほどよいとは限りません。

たとえば、問い合わせ内容を分析して回答案を作るところまではAIに任せても、重要顧客への送信前には担当者が確認したいケースもあるでしょう。契約や支払いに関わる業務なら、最終承認を人間に残す方が適切な場合もあります。
つまり、見るべきなのは「どこまで自動化できるか」だけではありません。「どこでAIを止め、人間や既存ルールへ引き渡せるか」まで設計できるかが重要です。

業務のリスクや責任分界に応じて、AIによる判断、ルールに基づく処理、人間による承認を組み合わせられる製品であれば、実務にも組み込みやすくなるでしょう。

④:セキュリティ・ガバナンス要件を満たせるか

業務に必要な機能がそろっていても、自社のセキュリティ基準を満たさなければ本番環境では利用できません。

とくにAIエージェントは、社内データを参照するだけでなく、システム上で処理を実行するケースがあります。そのため、誰が利用できるのか、どのデータへアクセスできるのか、どこまでの操作を許可するのかを細かく管理できることが欠かせません。

加えて、問題が起きた際に原因を追跡できる仕組みも必要です。誰が、いつ、どのエージェントを利用し、何にアクセスして、どのような処理を行ったのか。こうした履歴を監査ログとして確認できるかも見ておきましょう。
製品単体のセキュリティ機能だけを評価するのではなく、自社の情報セキュリティポリシーやAI利用ルールのなかで無理なく運用できるかまで確認することが大切です。

⑤:小さく始めて拡張でき、費用対効果を見込めるか

候補が絞れてきたら、導入後の広げ方とコストも確認します。

AIエージェントは、最初から全社規模で展開して費用対効果を判断するより、対象業務を限定し、成果を確かめながら拡張していく方が現実的です。そのため、小規模なPoCや特定部門での利用から始め、対象業務や利用人数を段階的に増やせる構成かを見ておきましょう。

料金についても、初期のライセンス費だけで判断するのは避けたいところです。利用量の増加に伴う従量課金、システム連携、運用保守など、拡張後に発生するコストまで含めて考える必要があります。一方で、費用だけを見ても十分ではありません。削減できる業務工数や処理時間、対応件数、業務品質など、得られる効果とセットで評価しましょう。

ここまでの条件を満たした製品が残ったら、最後はPoCです。カタログでは判断しにくい操作性や連携のしやすさ、例外処理などを実際の業務で確かめたうえで、最終選定へ進みます。

AIエージェントのおすすめ製品

AIエージェントは、対応できる業務や導入・構築方法が製品によって異なるため、自社の目的や環境に適した製品を見極めることが重要です。
ここでは、自社の目的や環境に合わせてAIエージェントを構築できる汎用型に焦点を当て、おすすめの3製品を紹介します。
いずれも幅広い業務に活用できますが、得意とするシステム環境やAIエージェント活用の方向性は異なります。

製品名

主な特徴

向いている企業・用途

Copilot Studio

Microsoft環境との親和性を生かし、業務エージェントをローコードで構築・展開

Microsoft 365やPower Platformを中心に、AIエージェントを業務へ組み込みたい企業

Dify

複数のLLM、RAG、ワークフロー、外部ツールを組み合わせ、独自のAIアプリやエージェントを柔軟に構築

モデルや構成、実行環境を選び、自社独自の生成AIアプリやエージェントを開発したい企業

watsonx Orchestrate

環境の異なるAIエージェント、ツール、業務システムを横断して連携・統制

複数ベンダーのAIやシステムを生かし、全社的な業務実行と統制を進めたい企業

大まかに整理すると、Microsoft環境を生かした展開ならCopilot Studio、独自性の高いAIアプリケーションやエージェント開発ならDify、複数のAIやシステムを横断して管理・連携したいならwatsonx Orchestrateが、それぞれ異なる強みを発揮します。

ここからは、3製品の特徴を詳しく見ていきましょう。

Copilot Studio

Copilot Studioは、Microsoft 365やPower Platformを中心とした業務環境で、自社の業務やデータに合わせたAIエージェントを構築・管理するためのプラットフォームです。

特徴の一つが、自然言語やローコードを活用しながら業務に合わせたエージェントを構築できる点です。TeamsやSharePoint、Dynamics 365などMicrosoft製品との親和性が高く、日頃使っている業務環境の延長線上でAIエージェントを展開しやすいでしょう。
また、Power Platformのコネクターやカスタムコネクターを利用すれば、Microsoft以外のサービスや外部APIとの連携も可能です。

そのため、すでにMicrosoft製品を業務基盤として幅広く利用しており、既存環境を生かしながら部門ごとのAIエージェントを構築・展開したい企業には有力な候補になります。
ただし、ローコードで構築できるからといって、本番導入まで簡単に進むとは限りません。実運用では、業務ロジックやデータ接続、権限、セキュリティ、運用体制などを別途設計する必要があります。

◆ Copilot Studio 製品ページ(※外部サイトにアクセスします)

Dify

Difyは、複数のLLMやナレッジ、外部ツール、処理フローを組み合わせ、独自の生成AIアプリケーションやAIエージェントを構築・運用するためのプラットフォームです。

特徴的なのが、用途や要件に応じて利用するLLMや埋め込みモデルを選択しながら、処理の流れを柔軟に設計できる点です。
RAGによる情報検索をはじめ、生成、条件分岐、反復処理、コード実行、外部ツールの呼び出し、人による確認などをワークフローとして組み立てられるため、自社独自の業務フローをAIへ落とし込みやすいでしょう。

さらに、プラグインやOpenAPI、MCP、外部データソースなどを通じて社内外のシステムとも連携できます。構築したAIアプリケーションをWebアプリやAPIとして公開できるほか、クラウド、VPC、セルフホストなど、要件に応じて実行環境を選べる点も特徴です。
そのため、特定の製品環境を起点にするのではなく、モデルやナレッジ、ツール、処理フロー、実行環境まで選びながら、自社独自のAI活用を設計したい企業に向いています。

一方で、自由度が高い分だけ設計すべき項目も増えます。モデルやデータ、処理フローだけでなく、セキュリティや実行環境、運用方法まで自社要件に合わせて整理する力が求められるでしょう。

watsonx Orchestrate

watsonx Orchestrateは、AIエージェントを構築するだけでなく、複数のAIエージェントやツール、業務システムを横断して連携・管理するためのプラットフォームです。

特徴は、単一のエージェントにすべてを任せるのではなく、業務内容に応じて複数のエージェントやツールを組み合わせ、一連の仕事として実行できる点にあります。IBM製品に限定されず、外部のAIエージェントやツール、API、CRM・ERPなどの業務システムと連携できるため、すでに複数ベンダーのサービスを利用している企業でも、既存環境を生かしながら導入を検討しやすいでしょう。

さらに、作成元や稼働環境が異なり、部門ごとでサイロ化してしまっているAIエージェントについても、利用状況や品質、コスト、実行内容などを可視化し、共通のポリシーや権限のもとで管理・統制する考え方が採られています。
この点は、部門ごとにAI活用が進み、今後「増えていくエージェントをどう管理するか」が課題になる企業ほど重要になるでしょう。

また、ノーコード開発とプロコード開発の両方に対応している点も特徴です。
両者を同じプラットフォームで併用できるため、業務部門がノーコードで試作・検証を進め、IT部門が必要な機能を追加しながら本番運用へ展開するといった段階的な導入にも対応できます。

そのため、以下の条件を複数満たす場合、watsonx Orchestrateが有力な選択肢となります。

  • ERP、CRM、グループウェア、RPA、独自業務システムが混在している
  • 部門ごとのAI導入がサイロ化している
  • 現場主導の開発とIT部門による統制を両立したい

一方で、複数のシステムやエージェントを横断して利用するほど、導入設計も複雑になります。自社が利用しているシステムとの連携性や、管理・運用要件まで含めて確認しておくことが欠かせません。

◆ watsonx Orchestrate 製品ページ

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AIエージェント導入を成功させるためのステップ

AIエージェントを導入する際は、製品の機能や特徴を比較するだけでなく、自社の業務で十分な効果を発揮できるかを見極めることが重要です。
前述した5つの比較ポイントをもとに、自社が重視する条件を整理したうえで、候補製品の比較や実際の業務を想定した検証を進めましょう。

特に、操作性や既存システムとの連携のしやすさ、運用時の負担などは、製品資料だけでは判断しきれない部分もあります。そのため、段階的に検証を重ねながら、導入の可否を判断することが大切です。

具体的には、次の5つのステップで進めるとよいでしょう。

  1. 製品選定の評価基準を整理する
  2. 評価基準に沿って候補製品を絞り込む
  3. PoCの対象範囲と評価方法を決める
  4. PoCで業務への適合性を比較する
  5. 導入する製品と展開方針を決定する

①:製品選定の評価基準を整理する

まずは、自社がAIエージェントに求める条件を明確にし、製品を比較するための評価基準を整理しましょう。
AIエージェントは製品によって対応できる業務や開発方法、外部システムとの連携機能などが異なります。そのため、機能の豊富さだけで判断するのではなく、自社の業務課題や利用環境に合っているかを見極めることが重要です。

たとえば以下のように、企業によって重視する条件は変わります。

  • 既存のCRMやERPと連携できる
  • 現場担当者がノーコードで開発できる
  • 複数のエージェントを一元管理できるなど

自社に必要な機能や要件を洗い出す際、必ず満たしたい条件と、できれば備えていてほしい条件を分けて優先順位をつけておくと、その後の製品比較を進めやすくなります。

②:評価基準に沿って候補製品を絞り込む

評価基準が定まったら、各製品の特徴を照らし合わせ、導入候補を絞り込んでいきます。まずは公式サイトや製品資料、導入事例などを確認し、自社が必要とする機能や要件を満たしているかを調べましょう。

比較する際は、機能の有無だけでなく、利用するための条件にも目を向けることが大切です。たとえば、外部システムとの連携に追加開発が必要だったり、利用したい機能が特定の料金プランに限定されていたりする場合もあります。

また、導入時の費用だけでなく、利用規模が拡大した場合のコストや、運用・保守に必要な人員も確認しておきたいところです。すべての製品を詳しく検証するのは負担が大きいため、評価基準との適合度をもとに、有力な候補を数製品まで絞り込むとよいでしょう。

③:PoCの対象範囲と評価方法を決める

候補製品を絞り込んだら、PoC(概念実証)で何を検証するのかを具体的に決めます。PoCは、AIエージェントが正常に動作するかを確認するだけでなく、自社の業務で期待する効果を得られるかを判断するためのものです。まずは対象となる業務や部門を限定し、AIエージェントに任せる作業の範囲を設定しましょう。

問い合わせ対応を対象とする場合は、顧客情報の取得から回答案の作成、CRMへの記録までを検証することが考えられます。あわせて、作業時間の削減率や処理の成功率、回答精度など、評価に使用するKPIを定めておくことも重要です。

なお、複数製品を比較する場合は、同じ業務シナリオや評価項目を用いることで製品ごとの違いを把握しやすくなります。検証に必要なデータやシステム環境、実施期間、担当者なども事前に整理し、無理のない計画を立てましょう。

④:PoCで業務への適合性を比較する

PoCの準備が整ったら、候補製品を実際に動かし、自社の業務に適しているかを確認します。この段階では、設定したKPIをもとに効果を測定するとともに、操作性やシステム連携のしやすさ、運用時の負担なども評価しましょう。

仮に同じ業務を自動化できたとしても、エージェントの設定にかかる手間や、エラーが発生した際の対応方法は製品によって異なるためです。
また、製品資料では既存システムと連携可能とされていても、実際にはデータ形式やアクセス権限などの問題が生じる場合もあります。そのため、通常の業務フローだけでなく、想定外の入力や処理の失敗が発生した際の動作も確認しておくことが大切です。

さらに、実際に利用する現場担当者にも検証に参加してもらい、使いやすさや業務への取り入れやすさについて意見を集めましょう。数値で測定できる効果と現場の評価を組み合わせることで、機能面だけではわからない製品ごとの違いを見極めやすくなります。

⑤:導入する製品と展開方針を決定する

PoCの結果がまとまったら、あらかじめ設定した評価基準に沿って製品を比較し、導入の可否を判断します。その際は、業務効率化の効果や使いやすさだけでなく、本番運用にかかるコストや管理体制、今後の拡張性も考慮しましょう。

たとえば、PoCでは十分な成果が得られていても、利用部門やエージェントの数が増えることで、費用や運用負荷が想定以上に大きくなる可能性があります。また、全社展開を見据える場合は、利用者ごとの権限設定やデータの取り扱い、人間による承認が必要な操作など、運用上のルールも整備する必要があります。

導入を決定した後は、PoCで効果を確認できた業務から本番利用を始め、成果や課題を確認しながら段階的に適用範囲を広げていくとよいでしょう。ただし、ここまで紹介した5つのステップを自社だけで進めるには、専門的な知識や相応の工数が必要となります。そのため、導入から運用定着まで伴走してくれるベンダーの支援を受けることも有効です。

AIエージェント導入を支援するベンダーの選び方

AIエージェントの導入を支援するベンダーを選ぶ際は、製品の知識だけでなく、自社の業務課題への理解や導入後のサポート体制も重視する必要があります。自社に合った製品を選べたとしても、それだけで導入や全社展開がうまく進むとは限りません。

実際には、対象業務の整理、既存システムとの連携、データ整備、PoC、本番運用、現場への定着など、製品選定後にもさまざまな課題が待っています。とくに、複数の基幹システムや独自システムを持つ企業、部門ごとに異なる要件を抱える企業では、製品の知識だけでは解決しにくい問題も出てくるでしょう。

だからこそ、製品選びと同じくらい、「導入後に直面する障壁を一緒に乗り越えられるベンダーを選ぶこと」も重要です。

特定製品を販売するだけでなく、自社の業務課題を理解し、システム連携やPoC、運用設計、将来的な全社展開まで支援できるか。こうした視点を持っておくと、導入パートナーも選びやすくなります。
AIエージェント導入で企業が直面しやすい課題や、導入を支援するベンダーを選ぶ際の具体的なポイントについては、次の記事で詳しく解説します。

【 次のコラムはこちら 】
■ AIエージェント導入の課題とは?ベンダー選びの3つのポイントと伴走支援を解説

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AIエージェントによる業務効率化や自動化を検討している方向けに、watsonx Orchestrateの概要や活用事例、導入の進め方をまとめた資料です。環境構築からAIエージェント開発、運用保守、伴走型支援まで、導入から定着までの支援内容をご確認いただけます。

まとめ

AIエージェントのおすすめ製品を探すとき、最初から各社の機能を横並びで比べる必要はありません。
まず、自社がどの業務を改善したいのか、AIにどこまで任せたいのかを整理する。そのうえで、必要なシステムとの連携性、実行範囲の制御、セキュリティ、拡張性といった条件から候補を絞っていく方が、自社に合った製品へたどり着きやすくなります。

今回紹介したCopilot Studio、Dify、watsonx Orchestrateも、いずれも幅広い業務へ応用できる汎用型ですが、強みはそれぞれ異なります。
Microsoft環境を生かすのか、独自のAIアプリケーションを柔軟に構築するのか。それとも、複数のAIや業務システムを横断しながら全社的に管理・統制していくのか。目指す姿によって、選ぶべき製品は変わってくるでしょう。

そして、製品を決定したところがゴールではありません。実際の業務へ組み込み、効果を検証し、安全に利用範囲を広げて初めて、AIエージェントは企業の成果につながります。

「どの製品が一番優れているか」ではなく、「自社が実現したいことに、どの製品が最も合っているか」。

この視点を軸に、製品選定と導入を進めていくことが大切です。

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