供給計画業務を統合し迅速な意思決定を支援する
統合供給計画ソリューション「scSQUARE ISP」
在庫引当とは、現在保有している在庫や今後入荷予定の在庫を、特定の注文や生産計画などに対応する分を「確保」する処理を指します。
これにより、在庫の過不足を防ぎ、納期遅延や欠品リスクを最小限に抑えることができます。
「在庫管理における引当」は、単なる在庫の確保だけではなく、需給調整、生産計画、出庫管理、異常在庫の処理など、複数の業務と連携して行われる重要なプロセスです。特にERPシステムに具備されている機能の活用により、引当処理の自動化や精度向上が図られます。
「引当在庫(引当済在庫)」とは、すでに受注や生産計画などに対して確保された在庫を指します。つまり、物理的には在庫として存在していても、すでに特定の用途に「予約」されているため、自由に使える在庫(可用在庫)とは区別されます。
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項目 |
引当在庫 |
在庫 |
|---|---|---|
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定義 |
特定の用途に確保された在庫 |
物理的に存在する在庫全体 |
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状態 |
既に特定の用途に予約済のもの |
予約済以外の自由に使えるものも含む |
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管理 |
システム上で特定用途に紐づけ |
倉庫やシステム上で保管 |
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目的 |
納期遵守、需給調整 |
商品供給管理、保管 |
在庫引当数とは、受注や生産計画に対して各在庫管理単位(SKU)毎に「どれだけの在庫を確保するか」を数量で示すもので、在庫管理やMRP(資材所要量計画)において非常に重要な指標です。
■ 引当在庫数 = 受注数または生産計画数に対して確保された在庫数
■ 引当率 = 引当在庫数 ÷ 総在庫数 × 100(%)
■ 有効在庫数 = 総在庫数 − 引当在庫数
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指標名 |
計算式または定義 |
|---|---|
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引当在庫数 |
受注や生産計画に対して確保された在庫数 |
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引当率 |
引当在庫数 ÷ 総在庫数 × 100(%) |
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有効在庫数 |
総在庫数 − 引当在庫数 |
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安全在庫数 |
安全在庫係数 × 使用量の標準偏差 × √(LT+間隔) |
在庫引当とは、保有在庫や入荷予定品を特定の注文や生産計画に対して「確保」する処理です。
この処理の重要性としては、以下の3つ挙げられます。
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観点 |
「在庫引当」の重要性 |
|---|---|
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納期・品質 |
顧客への納品遅延や欠品を防ぎ、信頼性を確保 |
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業務効率 |
MRPや生産計画・供給計画立案システムの連携により、需給調整と業務の自動化が可能 |
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経営・財務 |
在庫の適正化により、資金繰りや損益計算への影響を最小化 |
在庫引当のタイミングは、業務プロセスやシステム運用の設計により異なりますが、以下のような場面で実施されるのが一般的です。
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タイミング |
適用シーン |
メリット |
注意点 |
|---|---|---|---|
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即時引当 |
受注確定時 |
納期遵守 |
在庫不足リスク |
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タイムリー引当 |
出荷・生産直前 |
最新在庫反映 |
短納期対応が困難 |
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バッチ引当 |
MRP連携時 |
業務効率化 |
処理遅延リスク |
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契約更新時 |
定期契約 |
自動化可能 |
契約条件の確認必須 |
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納期調整後 |
特別案件 |
柔軟対応 |
関係部門との連携が必要 |
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観点 |
メリット |
|---|---|
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業務効率 |
引当処理の自動化、作業時間の短縮、属人化の防止 |
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経営効果 |
在庫最適化、コスト削減、キャッシュフロー改善 |
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顧客対応 |
納期遵守、欠品防止、信頼性向上 |
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DX推進 |
生産計画・供給計画立案などのシステム活用による業務標準化 |
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チェック項目 |
内容 |
|---|---|
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在庫情報の確認 |
実在庫・入荷予定・安全在庫の整合性 |
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引当解除の対応 |
キャンセル・変更時の迅速な処理 |
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異常在庫の除外 |
滞留・不良在庫は引当対象外 |
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システムルールの遵守 |
生産計画・供給計画立案システム等の操作ルールに従う |
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精度管理 |
MRP連携や需給調整との整合性 |
それでは、実際に在庫引当をシステムで実現する例をご紹介します。ここでは弊社製品「scSQUARE ISP」を例に動画でご紹介します。scSQUARE ISPは、サプライチェーン計画・実行業務において、生産管理部門や生産計画部門による供給計画、製造順序計画業務および購買・調達部門による購買計画業務をサポートする製品です。
以下のデモ動画シリーズにて、前半は在庫引当の考え方をご紹介し、後半にscSQUARE ISPでの実現方法を解説している動画をご用意しております。ぜひ視聴をお申し込みください。
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