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Hitachi

日立ソリューションズ東日本

三井化学株式会社 様

テキストマイニングシステム「CoreExplorer」

三井化学株式会社 様

情報の氾濫する時代になった。欲しい情報をピンポイントに検索するのも簡単である。すでに必要な情報を入手するだけではなく、どのようにしてビジネスに生かしていくかが求められている。では、社内外に蓄積されている情報からビジネス課題を解決するヒントをどのようにして見つけるのか?
ここに着目して、三井化学様では研究者がアイディアを引き出すことのできる仕組みづくりに取り組み、採用されたのが日立ソリューションズ東日本の提供するテキストマイニングシステム『CoreExplorer』であった。
容易な操作性で、研究者は多彩な検索機能を駆使し、欲しい情報をビジュアルに画面表示できる。狙ったキーワード以外の関連情報も俯瞰でき、気づきとアイディアを得ることができる。
データベースを整備するとともに、年間千件を超えるデータ登録には業務アプリ構築基盤『AppSQUARE』を活用して効率化した。技術情報の登録と活用に日立ソリューションズ東日本のソリューションが活躍している。

導入のポイント

  • 「研究から会社を変える」を目指して研究開発部門を強化
  • 2つの技術情報データベースがあり、連携されておらず使いづらかった
  • 『CoreExplorer』によるマップ表示を高く評価、採用を即決
  • 技術情報の登録には『AppSQUARE』を採用し、登録作業を効率化

導入の効果

  • 技術と技術、技術と人、人と人の関連性をビジュアルにマップ表示
  • 研究者の直感に訴え、アイディアを引き出す
  • 管理者も研究の現状や今後の方向性の検討に活用

お話を伺った方

お話を伺った方
【写真左】三井化学株式会社 システム部 千葉地区グループリーダー 可児 伸介 氏
【写真中央】三井化学株式会社 研究開発企画管理部 戦略G 市川 太郎 氏
【写真右】三井化学株式会社 研究開発本部 研究開発企画管理部 主席研究員 今泉 早苗 氏

創業106年に及ぶ化学産業のリーディングカンパニー

市川氏
市川 氏

三井化学様のルーツは、九州大牟田の三井三池炭坑の硫安工場までさかのぼることができる。創業106年に及ぶ日本を代表する化学メーカーであり、日本で初めてポリプロピレン、高密度ポリエチレン工業化に成功するなど、業界のリーディングカンパニーだ。

--「基盤素材から成長産業域の事業に軸足を移しています。その分野がモビリティ事業、ヘルスケア事業、フード&パッケージング事業です。これらの売上が2017年には半分を超えました」と、三井化学株式会社 研究開発企画管理部 戦略G 市川 太郎 氏は説明する。

モビリティ分野では特殊接着樹脂アドマー®や高機能エラストマー樹脂タフマー®、ヘルスケア分野ではメガネレンズ材料や不織布、フード&パッケージング分野ではウレタン系包装用接着剤や水稲用殺虫剤が世界あるいは国内でトップレベルのシェアとなっている。

大量の技術情報から「"0"から"1"」を生み出すには

今泉氏
今泉 氏

成長産業域に注力する一環で同社は「研究から会社を変える」を目指して、研究開発部門の強化に乗り出した。

--「日本人は"0"から"1"を生み出す力が不足しているとよく指摘されます。このままでは世界レベルの競争に勝てないと、研究開発部門の強化を打ち出したのです」(市川氏)。

ここで着目したのが同社100年以上に及ぶ技術情報の蓄積であった。"0"から"1"を生み出す、すなわち"無"から"有"を創造し、新たなビジネスモデルを創り出すヒントを技術情報に求めたのである。

すでに同社では「社内テクノロジープラットフォームDB(技術データベース)」「研究報告書DB(研究報告書データベース)」という2つのデータベースが存在していた。しかし、両者は連携しておらず、内容を分析(傾向把握、関連性深堀など)する機能もなかったため、たとえピンポイントで欲しい情報にアクセスできても、そこから研究のヒントを得ることは難しかった。

--「ここで私が求めたのは『技術と技術』『技術と人』『人と人』のつながりを表現・分析できる機能でした」と市川氏は強調する。

欲しい情報が画面いっぱいにリスト化されても、理解だけで精一杯である。しかし、それら情報の関連性がわかると、研究者は求めていた以上の気づきを得ることができ、この意外性がアイディアにつながる。左脳ではなく、右脳が刺激されるのである。

--「過去の研究内容を最大限に活用できるような仕組みづくりは、以前から模索されていました。私たちは、技術情報を整備して、埋もれていたあるいは属人化されていた技術を見える化できる体制、研究者の直感に訴えアイデアを引き出すような仕組みづくりに着手したのです」と、同社 研究開発本部 研究開発企画管理部 主席研究員 今泉 早苗 氏は補足する。

卓越した操作性で『CoreExplorer』を選択

可児氏
可児 氏

2016年になって市川氏はシステム部門に技術情報の整備と検索機能の強化を相談した。

--「同じ時期に当社各部門で『情報インテリジェンスの強化』と言うテーマが挙がってきており、AIを始めとしたITの力を借りて、膨大な技術情報の管理と活用ができないかと検討を開始しました」と、システム開発の経緯を同社 システム部 千葉地区グループリーダー 可児 伸介 氏は語る。

システム部門では、情報の関連をビジュアル化できるツールを調査していった。ここでポイントになったのが操作の容易性であった。

--「分析のスペシャリストが好むような高度なツールは多く提供されています。しかし、当社の利用者は研究者であり分析担当官ではありません。直観的に操作でき、ビジュアルに把握できる画面構成が必須でした」(可児氏)。

システム部門ではいくつかのベンダーに相談し、その中に日立グループもあった。ここにおいて、操作の容易性と多彩な検索機能、そしてグラフィカルな検索結果で明らかに優位性を示したのが日立ソリューションズ東日本の提供するテキストマイニングシステム『CoreExplorer』であった。

--「『CoreExplorer』によるマップ表示を見て、打ちのめされました。まさに私たちの求めていたものでした。『俯瞰』を完全に可能としていました」と、市川氏は瞳を輝かせる。

管理登録の効率化に「AppSQUARE」を採用

データベースの統合はデータベースエンジンで可能となるが、出口となる検索は素人である研究者が行う。そこで、操作の容易性に着目して『CoreExplorer』を採用した。同時に検討されたのが、入口となる技術データの登録であった。これも登録担当者ではなく、やはり研究者の仕事であった。だが、研究者にとっては年に数回あるかないかの作業であり、雑務とみなされる。とはいえ、申請や認可等のフローがあり、なおざりな登録は許されない。

そこで、登録業務の標準化と効率化を目的に選択したツールが業務アプリ構築基盤『AppSQUARE』であった。

--「登録業務システムを極めて短期間で構築することができました。『AppSQUARE』によってデータ登録のハードルを一気に下げることができました」と可児氏は評価する。

入口、蓄積・管理、出口のツールが決まったのが、2016年末。年が明けて、2017年からシステム構築に着手し、「新研究情報活用システム」は同年9月にリリースされた。これにより、技術と技術、技術と人、人と人の関連が把握できるようになった。さらに2018年9月には機能強化され、技術報告書同士の関連も一目で把握できるようになった。

意外なつながりが『化学反応』を起こしてアイディアになる

三井化学株式会社様

「新研究情報活用システム」の効果は大きい。

--「まず、知りたい技術の掲載されている技術報告書やその知識を持っている人がわかります。これで過去にクリアできた課題に再び悩まされることはありません」と、今泉氏は語る。

例えば、ある樹脂は時間とともに変色することがある。これをいかにして防ぐことができるかを、過去の研究から即座に見い出すことができる。

--「関連する技術をビジュアルに確認して、新しい技術開発のヒントをつかむこともできます。技術と人を結び付け、有識者を探すこともできます。それがたとえ上位の役職者や知らない人で声を掛けづらい場合でも、自分に近しい人を経由して会いたい研究者を紹介してもらうこともできます」(今泉氏)。

時系列で技術情報をマップ表示し、技術の変遷や方向性を俯瞰することができる。特定の技術報告書のキーワードを眺めることで、読むことなしに概要をつかむことができる。

--「最近では新発見になるような素材は出尽くしたといわれており、今までの研究内容を組み合わせるなど、新しい視点で考えなければなりません。技術と技術の意外なつながりが研究者の頭の中で『化学反応』を起こして課題の解決に結び付いたり、新素材のヒントになるのです」と、市川氏は訴える。

デモンストレーションを見せただけで、研究者は検索機能を利用できるようになった。

--「システムにアクセスする件数が桁違いに増えました。2桁は違うかもしれません」と、アクセス数の多さを市川氏は認める。

--「マネジメント側にもメリットがあります。自社の強い分野、弱い分野を新システムで知ることができます。戦略に即した研究がどれだけ報告されているかもつかむことができます」と可児氏は語る。

生販在の情報も取り込み課題と解決策を見つける

可児氏

--「システム刷新により、社内情報の蓄積と検索、有効活用を実現しました。これからは社外の技術情報を取り込んでいけたらと考えています」と、今泉氏は今後の展望を語る。特許情報なども同じ視点で確認でき、さらに幅広い視野で技術を俯瞰できるようになる。

可児氏は『CoreExplorer』の横展開を考えている。

--「技術情報の他にも社内には生産、販売、在庫などの情報があります。これらをまとめて、『CoreExplorer』でマップ表示する。これで課題の見える化と解決策のヒントを得ることができるのではないかと考え中です」(可児氏)。

『CoreExplorer』は研究部門だけではなくオール三井化学様の新たな武器になろうとしているのである。

--「今回のシステム構築は大成功でした。従来ですと現場とシステム部門には見えない壁がありました。それが今回はまったく感じられず、欲しいシステムを完全に得ることができました」と、最後に市川氏は今回のプロジェクトを評価した。

お客さまプロフィール

三井化学様ロゴ

お客様名

三井化学株式会社

設立

1997年10月1日
(設立年月日 1955年7月1日)

本社

〒105-7122 東京都港区東新橋一丁目5番2号
汐留シティセンター

従業員数

17,277人(連結 2018年3月31日現在)

事業内容

ヘルスケア事業:ヘルスケア材料、パーソナルケア材料、不織布
モビリティ事業:エラストマー、機能性コンパウンド、機能性ポリマー
フード&パッケージング事業:コーティング・機能材、包装フィルム、産業用フィルム、機能シート、農業化学品
基盤素材事業:フェノール、PTA・PET、工業薬品、ポリウレタン材料、石化原料、ライセンス

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