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日立ソリューションズ東日本

財団法人 電力中央研究所 様

テキストマイニングシステム「CoreExplorer」

財団法人 電力中央研究所 様

 研究機関や大学、政府・自治体、さらに一般企業の研究開発部門や企画・マーケティング部門などでは、膨大な量のアンケートを分析することがある。選択式の設問回答の集計に手間がかかるし、自由記述の設問があると、その分析にも更に多くの時間がかかる。担当者の主観的な解釈により重要なキーワードを見落としたり、回答全体を反映しない分析結果となる危険性もある。
このような課題を解決するため、財団法人 電力中央研究所 社会経済研究所が導入したのが、日立ソリューションズ東日本のテキストマイニングシステム「CoreExplorer」であった。「CoreExplorer」が、適切な研究テーマの立案や、より精度の高いアンケート分析に役立っている。

代替テキスト

財団法人 電力中央研究所 社会経済研究所
上席研究員 蟻生 俊夫氏
財団法人 電力中央研究所 社会経済研究所
<エネルギー事業政策領域>主任研究員 後藤 久典氏

導入の経緯

  • 自由意見の人手による集計や分析に時間がかかり過ぎていた
  • 研究員の主観を排した、客観的な判断基準が求められていた

導入のポイント

  • 少数意見の拾い出しや見えない意見を可視化できること
  • キーワードの関連性を構造化できること

導入の効果

  • 集計・分析の効率化と精度の向上
  • 仮説の検証と、新たな仮説の探索・発見
  • 的確なアンケート項目の選定と作業の効率化を実現

電力と社会経済を総合的に研究

代替テキスト

電力中央研究所は、日本最大級の人員と研究レベルを誇る研究機関であり、約700人の研究員が独自の研究および企業からの受託研究に従事している。その設立は、日本の9電力体制(当時 沖縄を除く)が整えられた翌年、1951年11月のことである。

--「9つの電力会社がバラバラに研究していては、中長期にわたる効果を期待できません。そこで、統一した研究所が設立されました。電力技術はもちろん、広くエネルギー一般、社会経済や環境、経営や制度・政策も含めて総合的な研究に取り組んでいます」と、財団法人 電力中央研究所 社会経済研究所 上席研究員 蟻生 俊夫 氏は解説する。

--「約6割が独自研究で、残りが企業からの受託です」と、同研究所 主任研究員 後藤 久典 氏が説明するように、受託よりも独自研究が多く、それが研究所の特長となっている。

蟻生氏と後藤氏が属する、電力中央研究所の一部門である「社会経済研究所」は、幅広い情報を収集・分析し、電気事業者や産業界、政府・地方自治体、地域社会の抱える課題を解消するさまざまな研究を行っている。

課題はアンケート分析の時間や精度

代替テキスト

さまざまな研究の一環として市場調査は欠かせない。その集計や分析を人手に頼っていた頃、課題が3点あったという。

--「1つ目は時間です。手動で分析していた頃は、時間がかかって大変でした」(後藤氏)。

アンケートの設問すべてが選択項目であれば、機械的に集計して結果を自在に分析できる。だが記述式では、得られた回答を読んで自分で判断して振り分けなければならない。この作業が大変だったという。
2つ目の課題が分析の信頼性だ。すべてに目を通し客観的に判断しているつもりでも、どうしても主観が入る。

--「社内でディスカッションする程度であればいいのですが、正確に分析して発表しようとすると、客観的な判断基準が求められます」(後藤氏)。

3つ目が、定量的な分析や把握における課題である。どのような意見がどれだけあるのか、キーワードの種類と分布などを定量的に分類するのが、人手では難しかった。時間もかかるし、精度にも不安があった。

ツール導入の目的は少数意見の発見と分析の効率化

代替テキスト

以上3つの課題を解決するため、電力中央研究所様ではツールを探すことになった。この際、時間や精度などの課題を解決することはもちろん、新たに3つの目的を念頭にツールを検討した。
1つ目は代表的な意見と少数意見の抽出。代表的な意見は目視でも容易に発見できるが、少数意見は見落とす危険性があるし、探し出すのに時間もかかる。その少数意見を確実に見つけ出す機能が欲しかった。
2つ目は、人間にはなかなか気づくことの困難な点の可視化。

--「私達は仮説を立ててアンケートやインタビューをしますが、この仮説に留まらない新たな発見が必要です。この発見を支援する役割を期待しました」(後藤氏)。

3つ目がキーワードの関連性の構造化。自由意見の中からキーワードを抽出し、それらがどのような関連を持っているか、人手で可視化するには極めて多くの労力がかかる。これを素早く正確にこなす能力が欲しかった。
このようなツールを探しているときに見つけたのが、日立ソリューションズ東日本のテキストマイニングシステム「CoreExplorer」であった。

プレアンケートやインタビューの分析に活用

代替テキスト

--「アンケート結果の単なる分類や集計では、研究になりません。私達の報告書には新たな発見や提言が盛り込まれています。これを導き出すためにCoreExplorerを使っています」と、蟻生氏は語る。

このため、CoreExplorerは主にプレアンケートやインタビューの分析に利用されている。電力中央研究所様でのアンケートは、いきなり大多数の人数を対象に実施されるわけではない。まず仮説を立て、プレアンケートやインタビューにおいてその仮説を確認する。
例えば平成20年度には「国内需要家による満足度の現状と料金メニュー・サービスの選好に関する調査・分析」という研究報告書(※末尾参照)を発表している。

--「この中で『事業所による料金メニュー・サービスの選択要因』を調査しているのですが、通常は『価格』が主要因と思われます。しかし、インタビューでは『電気料金の変動が少ないこと』『業務時間パターンとのマッチング』『付加サービス』『CO2排出が少ない環境性』などを拾い出すことができ、本番のアンケートではこれを選択項目に加えました。CoreExplorerの活用で、分析の負荷がかなり軽減されました。この発見と負荷軽減がCoreExplorerの具体的な効果です」と、後藤氏は説明する。

研究員全体でCoreExplorer活用へ

代替テキスト

--「CoreExplorerは現場の研究員が自在に分析できるところが優れています。私達に求められているのは定型的な処理の繰り返しではなく、高度な分析です。その高度な分析を、習得期間も必要なく手軽にできるところがCoreExplorerの魅力です」と、蟻生氏はCoreExplorerを認める。

--「今年で導入して4年になりますが、毎年の機能強化には驚いています。年ごとに使いやすくなります」(後藤氏)。

CoreExplorerは利用者の声を取り入れてこまめにバージョンアップを繰り返している。さらに、

--「いつも丁寧に指導いただき、大変感謝しています」と、後藤氏は日立ソリューションズ東日本の対応の良さも認める。

これからはCoreExplorerのツール名を出して、分析結果をオープンにしたいとも語る。

--「キーワードの相関図は視覚的にもわかりやすく、説得力があります。今後の研究報告書に積極的に使っていきたいと考えています」と、蟻生氏は期待を膨らませる。

さらに、

--「CoreExplorerを研究所内にもっと広めていきたいと思います。研究者は、同じようなアンケートの課題は抱えていますし、新たな研究テーマの発見も欲しています」と、語るように、後藤氏はCoreExplorerの有用性がわかれば、研究所内にもっと広がっていくと確信している。

研究の進化とその効率化のため、CoreExplorerには大きな期待が寄せられている。

お客さまプロフィール

社名

財団法人 電力中央研究所

設立

1951(昭和26)年11月7日

本社

本部 〒100-8126 東京都千代田区大手町1-6-1

社会経済研究所

〒201-8511 東京都狛江市岩戸北2-11-1

従業員数

研究:713人 事務:94人 合計:807人

電力中央研究所様ロゴマーク

1951(昭和26)年に設立された公益法人であり、エネルギー関連では日本最大規模の研究機関。「エネルギーセキュリティの確保」「地球環境問題への対応」をはじめ、幅広い研究に取り組んでいる。社会経済研究所、システム技術研究所、原子力技術研究所、地球工学研究所、環境科学研究所、電力技術研究所、エネルギー技術研究所、材料科学研究所の研究所があり、それぞれ独自に取り組んでいる研究内容はすべてオープンになっている。

(※)紹介した報告書「国内需要家による満足度の現状と料金メニュー・サービスの選好に関する調査・分析」Y07013

導入製品

お問い合わせ・資料請求

CoreExplorer
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    まとめたカタログ
  • 画面イメージを含めた製品概要の詳しい説明や特長など

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