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SMC株式会社 様

デジタル化と業務効率化プラットフォーム「AppSQUARE」

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SMC株式会社 様

技術やノウハウを組織全体で共有・活用できる体制の構築は製造業にとって重要なテーマの一つである。特に特注品(特別注文品)を扱う企業では、過去の設計情報や設計図面、対応履歴を蓄積・共有し、類似案件に活用する仕組みが求められる。
また、受注から完成までを管理するワークフローを整備し、関係者全員が進捗状況や対応履歴を把握できる環境づくりも欠かせない。

空気圧機器をはじめとする幅広い自動制御機器で世界の製造業界を支えるSMC株式会社様は、より効率的な特注品管理と情報共有を実現するため、業務システムの刷新に取り組んだ。導入したのは、日立ソリューションズ東日本が提供する業務アプリ構築基盤「AppSQUARE」。
特注品に関わる過去の設計情報や対応履歴を活用できる仕組みを整えるとともに、特注品管理やワークフローを一元化し、関係者全員が同じ情報を、一つの画面で把握できる業務システムを実現した。

課題

  • 過去の設計情報や対応履歴を探しづらく、類似案件でも設計・検討を繰り返すことがあった
  • 仕様確認や問い合わせをメールで行っていたため、やり取りの経緯が担当者ごとに分散していた
  • ワークフローがなく、案件の担当者や進捗状況を関係者・管理者が把握しづらかった

目的

  • 特注品に関する情報と業務プロセスを一つのシステムで管理できる基盤を構築する
  • 過去の特注実績を、個人の経験に依存せず組織で活用できる状態を目指す
  • 将来的な他拠点・他部署への展開も見据え、柔軟に改善・運用できる仕組みを構築する

導入効果

  • 類似案件の情報を確認しながら、設計・検討を進められるようになった
  • 他部門や海外拠点とのやり取りがアプリ上に残り、仕様決定までの経緯を関係者が確認できるようになった
  • 現場と管理者が案件の状況を一つの画面で把握でき、確認にかかる手間を削減できた
  • 現場の要望をアプリへ素早く反映し、継続的に改善できるようになった

お話を伺った方

SMC株式会社
■ SMC株式会社 技術システム管理室長 宮﨑 省吾 氏
■ SMC株式会社 技術システム管理室 竹内 玄 氏
■ SMC株式会社 技術システム管理室 西村 美結 氏

世界の工場を支える自動制御機器メーカー

SMC株式会社 技術システム管理室長 宮﨑氏
宮﨑氏

SMC株式会社は、圧縮空気を動力源とした空気圧機器をはじめとする自動制御機器で世界のファクトリーオートメーション(FA)を支えるトップメーカーである。昨今盛り上がりを見せているAI・半導体のほか、電気機器、自動車、工作機械、食品、医療、農業関連機器など、あらゆる業界・産業分野の工場で、同社の自動制御機器が使われている。

国内シェア62%、海外シェア36%を誇り、世界6か国に量産拠点と世界80の国と地域に500以上の販売拠点を展開。世界中の顧客に製品を届けるための体制を構築している。同社には現在、トップメーカーの使命として取り組んでいる課題がある。

--「『4BAR factory』という考え方を提案しています。『BAR』とは圧力の単位です。一般的な工場では7~8BARの圧縮空気で設備を動かしていますが、4BARに最適化することで排出する二酸化炭素(CO2)の削減や、お客様の工場全体のランニングコストの低減につなげていきたいと考えています。4BAR factoryの実現のために、省エア機器の開発にも力を入れています」(宮﨑氏)

トップメーカーとして社会的責任を強く意識する同社。世界中の顧客に製品を安定的に供給することも、その責任の一つだと考えている。

--「事業継続計画、いわゆるBCP(Business Continuity Plan)も重要だと考えています。SMCの製品は多くの業界、多くの工場で使っていただいています。お客様にSMCの製品を届けられなくなると、半導体や自動車、医療機器などあらゆる製品の生産に影響が及んでしまいます。それを防ぐために、生産拠点を世界各地に分散するなどして地震、台風、洪水、感染症などの非常事態に際しても供給を継続できる体制を整えておかなければなりません」(宮﨑氏)

こうした社会的責任に対する意識は、社内にも向いている。

--「4BAR factoryやBCPはもちろんのこと、お客様のあらゆる要望に応えていくために重要なのは人、つまり社員です。社員がいかに働きやすい環境で安心して仕事に取り組めるかということを大切にしています。社会に貢献し、経済を支える企業でありたいですね」(宮﨑氏)

社会的使命を果たしながら、世界中の顧客に安定して製品を届けるためには、社内業務の効率化や情報の活用も重要となる。AppSQUAREを導入した背景にも、こうした考えがあった。

スクラッチ開発した自社システムが抱えていた課題

AppSQUAREを導入する前、どのような課題があったのだろうか。

--「SMCの製品は約88万品目ありますが、お客様からは特注品のご相談を毎日のようにいただいています。その数は年間1万件になることもありました。ところが、当時使っていたスクラッチ開発したシステムは検索機能が不十分で、過去にどのような特注依頼をいただいていて、どのように対応したかがわかりづらいなどの課題がありました。その結果、過去に類似案件があったとしても新しく作ってしまったほうが早い場合もありました」(宮﨑氏)

過去の受注や対応履歴がシステムで検索できる状態になっていないと、当時の担当者の記憶に頼ることになりやすい。
その結果、過去に受注した類似案件のデータを活用できず、類似の設計を繰り返す場合もあり、業務効率の低下につながってしまう。

--「ワークフローがなかったことも、業務効率の低下につながっていたように思います。たとえば特注品を製作するときに、誰がどの工程を担当していて、案件がどこまで進んでいるのか把握しづらい状況でした。また、営業部から技術部に特注品の製作依頼があったときに、特注仕様を確定するためのやり取りを何回か行う場合があります。この際、担当者同士がメールで行っていたため、担当者のメール履歴は残っていても、関係者全員がひと目で把握できる状態にはなっていませんでした。情報や記録が部署や担当者ごとに分散し、組織全体に共有されないサイロ化が起きていました」(宮﨑氏)

企業が受注から承認までを紙やメール、社内便でまわすことで仕事を進めるケースは珍しくなかった。製造業では現在も紙の運用が残っていることも少なくない。ただ、業務効率をより高めるために、ワークフローシステムは必須だと言える。

--「営業部と技術部で同じように課題を感じていたこともあり、あらゆる情報を一元的に管理できる業務管理システムを導入するべきだと考えるようになりました」(宮﨑氏)

AppSQUARE導入を決めた3つの理由

SMC株式会社 技術システム管理室 竹内氏
竹内氏

AppSQUAREはノンコードで業務アプリを構築できるソリューションである。その導入の決め手は主に3つある。

--「まずはカスタマイズ性の高さですね。システムの検討時にアプリを内製したいという希望があったのですが、AppSQUAREを使えば自分たちで作れるというのが決め手の一つになりました。少しだけ機能を追加したいようなときに、その都度ベンダーさんにお願いする形だと、その分だけ時間もコストもかかってしまいます。この違いは大きいと思います」(宮﨑氏)

アプリの機能追加や改修のたびにベンダーへ依頼すると、打ち合わせや開発時間が必要になり、実際の運用スタートまでに時間がかかる。一方、AppSQUAREであれば、自社内でノンコードによる機能追加や改修をおこなえるため、現場の要望に素早く対応できる。


--「横展開しやすそうなのも決め手の一つでした。AppSQUAREはコードを書けなくてもアプリを作成できるツールです。ですから、営業部や技術部の限られた者だけでなく、将来的に他部署や他拠点に利用を広げていけることに魅力を感じました」(宮﨑氏)

システムは一度導入すると入れ替えるのは難しく、長期的に利用するものである。そのため、他部署や他拠点へ横展開しやすく、社内で柔軟に運用できる点を評価した。

--「日立ソリューションズ東日本さんが、AppSQUAREの開発から販売、サポートまで一貫しておこなっている点も、やりやすそうだと感じましたね」(宮﨑氏)

開発から販売、サポートを一貫して担う体制が整っていると、製品を熟知した担当者へ直接相談できるため、問い合わせや要望にもスピーディーに対応してもらえる安心感がある。それでは、AppSQUAREの検討開始以降、日立ソリューションズ東日本はどのように対応してきただろうか。

--「日立ソリューションズ東日本さんのプレゼンでは、AppSQUAREを過大評価も過少評価もせず、ありのままをお話しくださいました。対応も早く、テンポよくサポートしてくださる点が好印象でしたね。一度、プロジェクトがうまく進まないときがあったのですが、日立ソリューションズ東日本さんに相談したらすぐに体制を整えて解決してくれました。顧客の要望をしっかり受け止めてくれるベンダーであると感じています」
(宮﨑氏)

こうした姿勢はAppSQUARE導入後も変わっていないという。

--「AppSQUAREの運用開始から数年経っていますが、いまも要望や不具合があるときにはすぐに対応してくださっていて、非常に助かっています」(竹内氏)

たとえば、気を遣ってしまい、相談しづらいと感じるようなことはないだろうか。

--「全くないですね」(宮﨑氏)

AppSQUARE導入で課題は解決、さらに広がる活用の幅

SMC株式会社 技術システム管理室 西村氏
西村氏

SMC株式会社様がAppSQUAREの運用をスタートしてから丸3年が経過している(※取材時)。旧システムの使用時に抱えていた課題は解決したのだろうか。

--「やりたかったことは、基本的にすべてできました」(宮﨑氏)

過去の設計情報や対応履歴を検索できる仕組みを構築し、技術やノウハウを組織全体で共有・活用できるようにすることや、ワークフローをシステム化して業務プロセスを可視化することなど、抱えていた課題は解決できているという。

--「ワークフローシステムが整備されていなかったために起きていた案件の進捗状況がわかりづらかった問題や、情報がサイロ化していた問題などが、AppSQUAREのアプリ内で一元管理できるようになったことで解決しました。また、業務プロセスが一つの画面でわかるので、各プロジェクトの現在の状況が把握しやすくなりました」(竹内氏)

ワークフローシステムで案件全体の進捗状況を把握できるようになったことで、営業部と技術部間の確認、各担当者間の確認など、これまでかかっていた膨大な手間と時間を削減できた。ただ、AppSQUAREの効果は、実際にプロジェクトを遂行する現場の実感だけにとどまっていない。

--「管理者側が技術部全体の状況や特注品製作の進捗状況などを把握しやすくなりました」(宮﨑氏)

AppSQUAREの導入によって、現場担当者だけではなく管理者も案件全体の進捗状況をリアルタイムで把握できるようになった。
これによって特定の案件がどこまで進捗しているのか、遅延や滞りがないかなどをひと目で確認できるようになり、業務全体を俯瞰したマネジメントが可能になった。導入の効果はそれだけではない。AppSQUARE導入当初の目的は特注品管理とワークフローシステムの構築だった。
しかし、運用を続けるなかで、当初は想定していなかった活用方法にもつながっている。

--「AppSQUAREはそれだけで完結したシステムだと考えていましたが、いまは他社さんのシステムとも連携して使っています。AppSQUAREでの作業データを別のシステムに取り込んで仕事をしたあと、そのデータをAppSQUAREに取り込むというような活用もしています」(宮﨑氏)

導入時の想定以上の効果を実感していることは他にもある。ノンコードでアプリを改修できるため、現場の要望をスピーディーに反映しながら改善できる点も大きなメリットである。

--「アプリの変更や改修についての要望があったときに、すぐにさまざまなパターンを検証して見せられる点は、開発を担当している立場としては非常に助かっています。たとえば、要望の内容を会議室ですぐに反映して、プロトタイプをモニターに映して確認してもらうこともできます。言葉では伝わりづらいことも実際の画面を見せることで認識を合わせやすくなりますし、その場でさらに要望を聞いて擦り合わせることもできます。もちろん実装するにはテストをする必要がありますが、外部のベンダーに依頼するよりも効率よく業務を進められています」(竹内氏)

メールに頼らずアプリ上で情報を共有できるようになったことで、他部門や海外拠点とのコミュニケーションにも変化を生んだ。

--「個人的に一番よかったと感じているのは、海外拠点のスタッフとも円滑にコミュニケーションを取れるようになったことです。以前はPDFを作成してメールで依頼するしかありませんでしたが、いまはAppSQUAREの同一アプリ上でコメントを交わしながら業務を進められるようになりました。履歴も残せるので、認識に齟齬が生じづらくなっています」(西村氏)

実際、海外拠点からもAppSQUAREの導入効果を評価する声が上がっている。

--「書類へのコメント機能があることもAppSQUAREを選択した理由の一つです。どういう経緯があって製品の仕様が決まったのかなどが履歴として残ることは、非常に重要だと思います。海外拠点のスタッフからもAppSQUAREのほうが旧システムよりも全体を把握しやすくなったという声が届いています」(竹内氏)

AIでAppSQUAREをさらに活用しやすく

SMC株式会社様は、今後さらにAppSQUARE活用の幅を広げようとしている。

--「これは日立ソリューションズ東日本さんのご協力が必要ですが、AIを活用すればもっと過去の案件の検索をしやすくなるのではないかと期待しています」(宮﨑氏)

この点について、竹内氏も同じく期待を寄せている。

--「AppSQUAREを使っているのは製品や図面について熟知している社員ばかりではありません。比較的あいまいな言葉や条件で検索してもほしい検索結果を得られたり、AIに『今回の案件であれば過去のこの案件を応用できますよ』というような提案をしてもらえたりするといいなと考えています」(竹内氏)

こうしたニーズに応えるため、日立ソリューションズ東日本は「AppSQUARE 企業内検索基盤」の提供をスタートした。
AppSQUAREの拡張機能として、複数のシステムに分散している大量の情報を高速で横断検索できるだけでなく、表記ゆれを吸収した柔軟なキーワードマッチングにも対応している。さらに、生成AIとの連携によって、自然な文章で質問できる対話型検索も実現した。過去の設計情報や設計図面、対応履歴などをもとに、関連情報を提示することで、必要な情報へスムーズにたどり着けるよう支援する。
AIの技術は近年、急速に進歩している。こうした新たな機能を活用することで、過去の設計資産や技術情報をさらに有効活用できるようになり、業務効率や技術継承のさらなる向上が期待される。アプリの自社開発の面でも、今後取り組もうとしていることがある。

--「ここまでお話しした通り、AppSQUAREは自社で業務アプリを構築できるものではあるのですが、外部システムとの連携のような大きな開発は難易度が高いため、日立ソリューションズ東日本さんにお願いしていました。今後はこうした外部システムとの連携も、自分たちでできるようにしたいと考えています」(宮﨑氏)

AppSQUAREの導入によって当初の目的を達成し、想定以上の効果も生まれている。最後にAppSQUARE運用のゴールを聞いた。

--「課題としていたことは、すでにほぼクリアできました。いまは導入当初に設定していたところより、もっと先にいるような気がします」(竹内氏)

宮﨑氏が続ける。

--「我々の業務の起点は社員からの要望です。これからもその要望に応えて、使いやすさを追求したいと思います」(宮﨑氏)

お客さまプロフィール

社名

SMC株式会社

設立

1959年4月27日

本社

〒104-0031 東京都中央区京橋一丁目5番5号

資本金

610億円

従業員数

24,773 名(連結) (2026年3月末現在)

事業内容

自動制御機器製品の製造加工および販売
焼結濾過体および各種濾過装置の製造および販売

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導入製品

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