技報21号の事業紹介記事です。
(株)日立ソリューションズ東日本(以下HSE)は,ワークフロー,電子フォーム,文書管理,ポータルの4機能をベースとしたアプリケーション構築プラットフォーム「AppSQUARE」の開発に取り組んでいる。本製品は,各種業務システム開発に必要となる機能をプログラムレスで実現し,システム開発のコストを大幅に削減できる製品である。また,製品標準で実現できない機能については,Web APIを利用して個別機能を開発することもできる。これら機能を活用し,お客様の業種・業務での共通的なプロセスをテンプレートとして準備することで,業務システムを短期間で容易に立ち上げることが可能になる。本稿では,AppSQUAREの特徴的な各機能や技術的な実現方式と製品を核としたソリューションの展開について述べる。
(株)日立ソリューションズ東日本(以下HSE)は,NPO法人観光情報学会への参画や,観光事業者と連携した商用サービスの経験などから,観光客のニーズおよび観光業界のノウハウや知見をベースに,「観光」に着目した事業展開に取り組んでいる。本ソリューションは,観光事業者と連携し,観光客に対し,新しい付加価値をもたらす商品・サービスを提供する。また,その収益は観光事業者など関連した企業で分配する事業モデルを構築しており,導入コストを下げるなど,関連企業のメリットを創出している。本論文では,本ソリューションの中核商品・サービスである「たびろくムービーズ」を核とした事業展開について述べる。
モバイルファースト,クラウドファーストが提唱され,業務アプリケーションのスマートデバイスへの対応が必須な状況となっている。(株)日立ソリューションズ東日本はSynViz S2のガントチャートやPSI Visualizerに代表されるUser Interface(UI)コンポーネントを得意としているが,これらのコンポーネントは描画に必要な計算量が多く処理性能の低いスマートデバイスで画面表示を行うと十分な応答性能が得られない。また,画面表示に必要なデータ量も多く,低速なネットワーク環境下では初期表示までの待ち時間が長くなる問題もある。そこで,負荷の高い描画処理をサーバ上で実行しクライアントの負荷を低減する方式を利用したWeb UIコンポーネントフレームワークを提案する。本手法によりクライアントの処理負荷が低減され,多くの計算量を必要とする画面をスマートデバイス上で表示可能となる。さらに,提案したコンポーネントフレームワークを利用することで開発工数を低減できることをWebアプリケーションの試作を通して確認した。
中小の食品製造企業のIT 活用状況調査の過程で売上が増えても利益が増えないという経営課題が明らかになった。このことから,中小企業では製品別原価計算が行われておらず会社全体では黒字でも製品ごとに見ると赤字製品や粗利率の低い製品があるという仮説を設定した。中小の食品製造企業15 社を調査した結果,80%にあたる12 社で製品別原価計算が行われていなかった。さらに2社の協力を得て製品ごとの粗利率の評価を行ったところ赤字製品が存在することを確認した。製品別の原価構造を見える化し,調達や製品ポートフォリオの改善を行うことが中小企業の経営改善につながる。
中小企業へのIT導入の促進にあたっては,さまざまなデータが電子的に蓄積されておらずまた電子化のためには人的・作業時間的な負荷が高いというデータ入力の障壁が存在する。(株)日立ソリューションズ東日本はその障壁を下げるための入力支援の仕組みを立案し,中小企業の現場で試行し,案の有効性を検証することを目的として研究を行った。今回ご協力いただいた食品製造業は衛生管理の観点から紙媒体にさまざまな情報が記録され蓄積しており,情報を紙に記録する現場で容易に電子化できるようにすればデータの電子的な蓄積の負荷を低減でき,IT導入を促進できることがわかった。
(株)日立ソリューションズ東日本(以下,HSE)では東北地域の企業に向けたソリューションの創出を目的とした研究を実施している。本研究では地域の機械・金属部品加工の受注生産製造業を対象にしてIT利用状況や業務課題に関する調査を行った。調査対象となった地域企業では見積もりが担当者の経験に基づき実施されており見積結果と実績の間に大きな差が出る場合があることが分かった。見積もりの精度は受注生産を行う中小企業の利益に直結する。ITによる見積作業を支援する機能の試作を実施,地域企業の業務に適用できることを確認した。
技報21号の事業紹介記事です。
近年の大規模災害の経験から,地域社会での防災力を強化することの重要性は広く認識されている。特に,行政からの「公助」を求めるだけでなく,住民による「自助」「共助」に主眼を置き,これらのバランスをとることが重要であるといわれている。現在,この「自助」「共助」「公助」を情報通信技術(ICT)の活用で強化する取り組みが注目されており,いくつかの企業・団体がシステム/サービスを提供しているが,その機能は「公助」に偏っている,あるいは複雑な仕組みにより非常に高価であるなどの理由で,地域防災力を総合的に(「自助」「共助」まで)カバーしたシステム/サービスの導入事例は少ない。(株)日立ソリューションズ東日本(HSE)は,国家プロジェクト参画など,これまでの取組をとおして地域防災力を強化するシステム/サービスの要件を整理した。また,その要件を満たす地域ソーシャルプラットフォームの開発と,このプラットフォームによるサービス事業の展開を検討している。
クラウド基盤ソフトウェアApache CloudStack(以下,CloudStackと記す)をベースとしたプライベートクラウドソリューションについて紹介する。CloudStackはプライベートクラウドを構築・運用するソフトウェアのメインストリームであり,(株)日立ソリューションズ東日本(以下,HSEと記す)では2010年より継続的に取り組みを続けてきた。プライベートクラウドシステムの構築,運用に関しては数々の課題が存在するが,HSEでは独自技術の蓄積と社内共有化,有識者の情報共有の場であるユーザ会へ参加するなどの社外コミュニティとの連携を通じて課題解決のナレッジを蓄積する活動を推進している。本報告では,システム構築や顧客ニーズに沿った独自カスタマイズ,さらにミッションクリティカルな大規模システムの運用事例を紹介するとともに,現状の課題と今後の取り組みについて論じる。
大規模災害の発生でも重要な情報を失うことなく必要な時間内に取得できる高機能高可用性情報ストレージ基盤の開発を行っている。このストレージ基盤はデータの複製を比較的距離の近い場所に同時被災リスクを考慮して配置することで可用性の向上とデータ取得までの時間短縮をはかる。第一次実証実験として10万人規模のユーザが利用する電子お薬手帳システムからストレージ基盤にアクセスし,可用性とデータ取得時間の評価を行った。ストレージの半数が損壊しても90%以上の可用性を実現すること,また3時間以内に90%以上のユーザがデータを取得できることを目標としたが,実証実験の結果,想定する災害では概ね目標を達成できたが,一部のシナリオで達成できないことが確認された。実験結果のフィードバックをもとにストレージ基盤の改良を行い,第二次実証実験までに目標値達成をめざす。
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