2013年1月1日までに発表された論文については、本文中の記載が旧社名になっております。ご了承ください。
クラウドコンピューティングの中でソフトウェアをサービスとして提供する形態のことをSaaS と呼ぶ。(株)日立東日本ソリューションズ(以下,日立TO) は SaaS 型情報共有サービスOnSchedule の提供を開始したが,今後の事業展開に関しては様々な課題が存在する。本報告ではSaaS 型サービスの事業立ち上げにおける顧客獲得スキームや,無償試行によるユーザニーズ抽出による拡販施策を論ずる。
保守部品の在庫管理では,部品の生産打ち切り時点でその後の保守期間分の部品をまとめて生産,あるいは調達して保有する。そのため,保守部品の生涯需要予測は製造業の在庫適正化にとって重要な技術である。(株)日立東日本ソリューションズ(日立TO)では,先行研究で経験分布を用いた生涯需要の予測モデルを考案した。本報告では,経験分布モデルを拡張して,前年からの需要変化を考慮できるように一般化した線形回帰モデルを提案する。この拡張により,多くの部品で経験分布モデルよりも高精度な予測が可能になることを,実データをもとに検証する。
SCM(supply chain management)は一時的な話題性はなくなったが,製造業および流通業においては,即納や短納期化などのサービス要求の高まりや,キャッシュフロー経営の浸透による過剰在庫へのマイナス評価の定着などによって在庫適正化は依然として高いニーズがある。(株)日立東日本ソリューションズは,ForecastPRO をベースとした需要予測関連のソリューションビジネスの一環として「在庫分析ソリューション」を展開してきた。他社の同様のサービスと比較して,需要特性を分析し,それに応じた在庫基準値の設定を行う点,需要特性の分析の際にForecastPRO のアウトプットを活用している点に大きな特徴がある。本論文では,数十社におよぶ適用事例から確立された定型パターン,ダイナミックに需要変化に迅速に対応し特性を発注計画に反映する新しい手法,および実際の運用で問題となるポイントについて考察する。
(株)日立東日本ソリューションズのSaaS ビジネス立ち上げ支援を目的に,パブリッククラウド上に構築した業務アプリケーションの性能評価を実施した。 AWS(Amazon Web Service)など主要なパブリッククラウドでは種々のコンピューティングリソース,運用支援機能がクラウドサービスとして提供されており,業務アプリケーションのインフラとして利用可能である。パブリッククラウド上にSynViz/PJ の動作環境を構築し,実用的な性能が得られるか検証を行った。インターネットを介するパブリッククラウドではイントラネット環境に比べネットワークが低速になるため,画面表示までのターンアラウンドタイムが増加する。パブリッククラウドをSaaS インフラとして利用する場合にはアプリケーションの特性に応じた性能向上策の検討が必要である。
(株)日立東日本ソリューションズの製品SynViz/PJ は,Web ブラウザ上で高機能なガントチャート画面が利用できるプロジェクト管理・工程管理システムである。SynViz ではガントチャートをWeb ブラウザに表示するために,表示に必要なデータをサーバ側で生成し,XML 形式のデータとしてHTML に埋め込んでクライアントへ転送している。しかし,長期間かつ大規模なプロジェクトになると,ガントチャート上に表示するオブジェクト数が数万以上になり,応答速度の著しい低下,場合によってはメモリ不足で表示できなくなるなどの問題が発生していた。このためガントチャート画面の処理フローを見直し,HTTP/1.1 のチャンク転送によるメモリ使用量削減とクライアント待ち時間の短縮,およびXML スキーマの改善によるデータ量削減の2 つの手法により本問題を解決した。その結果,より大規模なガントチャートの表示が可能になり,かつ応答速度も60% の高速化を実現できた。
地方自治体において人事給与システムを新規導入または更改する際,人事異動案作成に関連する機能を入札時の機能要件とする事例が増えている。(株)日立東日本ソリューションズでは,人事異動案作成を支援するソフトウェアを1999 年より販売開始した。このたび,従来製品に比べ機能面を強化し,また,プラットフォームやアーキテクチャを刷新したアプリケーション・ソフトウェア「人事異動シミュレーションシステム」を開発した。地方自治体における人事異動の立案形式は「出入り表」と「玉突き」の2 つの形式に大別される。人事異動担当者は,2 つの形式のどちらかを使って異動案を作成する。「人事異動シミュレーションシステム」では,出入り表編集と玉突き編集の両編集機能を提供することで,適用可能ユーザを従来製品より拡大した。「人事異動シミュレーションシステム」はWeb アプリケーションであり,画面の一部はFlex により開発した。連携先システムとミドルウェアを統一することで,トータルシステムとしての導入コスト削減を狙った。
東日本大震災では東北を中心に未曾有の被害が発生し,被災地域の復興には多大な時間と労力が必要である。(株)日立東日本ソリューションズ(以下,日立TO)は,被災地域の企業として地元の復興に貢献するべく,地域復興貢献室を設置し全社挙げての活動を開始した。本活動は,自社の得意技術を用いて長期的な復興貢献を行おうというもので,被災自治体などへの緊急支援活動から,復興計画の策定支援,事業としての活動まで幅広いものとして計画しており,いくつかの活動実績も積み上げつつある。
2011 年3 月11 日に発生した東日本大震災から半年あまりが過ぎ,復旧だけでなく復興に向けた懸命な取り組みが進められている。被災した各自治体・団体では,悲劇を繰り返さないためにも,今回の地震から得られた経験・教訓を広く収集し,それを基に復興ビジョンや具体的な計画の立案に向け検討を進めている。本報告では,各自治体・企業で収集した東日本大震災に関するアンケートやパブリックコメントを「フリーコメントを分類,集計するツール VOCAnalyzer」で分析した事例について紹介する。
日立ソリューションズ東日本についてご質問など、お問い合わせはこちら。
お気軽にご相談ください。