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Hitachi

テクニカルレポート第11号

2013年1月1日までに発表された論文については、本文中の記載が旧社名になっております。ご了承ください。

ハイテク家電業界向け生産計画システム「SynPIX」の開発

ハイテク家電業界では、デジタル技術の急速な進歩、消費者ニーズの多様化、製品ライフサイクルの短期化などの市場動向や激化する競争環境を受けて、大手メーカーを中心に、今改めてサプライチェーンの見直し、改善が進んでいる。(株)日立東日本ソリューションズでは、1992年に自社第1号の製品であるLoadCalcを市場に投入し、数多くの生産計画ソリューションを提供してきた。その中でも大手ハイテク家電メーカをロイヤルカスタマとして位置づけ、継続してソリューションの提供をしてきている。今回、これらの適用ノウハウを集約し、さらにLoadCalcよりもパッケージ性を高めたSynPIXを開発した。SynPIXは基準日程計画(MPS)、能力所要量計画(CRP)、資材所要量計画(MRP)を適用業務範囲とし、生産計画業務をより精度よく、より迅速に遂行可能にすることを製品コンセプトとしている。現在、大手ハイテク家電メーカー2社に適用し、それぞれ運用テスト、適用設計を実施中である。

地方公共団体を対象とした電子収納システム構築事例と今後の展開

(株)日立東日本ソリューションズ(以下、当社と記す)は、マルチペイメントネットワーク(以下、MPNと記す)を利用した収納管理システムの構築を実現する電子収納ソリューションを開発し、(株)日立製作所との連携のもとに、地方公共団体を主な市場として事業展開を進めている。事業展開に際し、個別に導入して頂く事例と並行して、共同センタとしてのシステム構築を支援するソリューションの整備を進めている。この電子収納ソリューションは、今年度までに、3サイトにて稼動、もしくは稼動予定であり、その先のお客様として数10ユーザ規模の地方公共団体(以下、地公体と記す)の利用が見込まれている。本稿では、電子収納システムを適用した2つの構築事例として、MPN接続を地方公共団体における新たな収納サービスに伴う付帯機能として開発した事例と、地域におけるMPN接続の拠点機能とすべく、アプリケーションサービス事業者(以下、ASPと記す)の収納センタを構築した事例を紹介する。最後に今後の事業方針として、中小の地公体市場の展開と地方体の枠を外れた民間企業との連携についても言及する。

リスク管理技術の事業化への取り組み

企業ではビジネスを取り巻くリスクや不確実性を考慮し、リスクとリターンのバランスのとれた経営を行うことが不可欠になってきている。(株)日立東日本ソリューションズはリスクを先手で発見しコントロールしていくリスク管理技術を、ツールやセミナーによる啓蒙、研究開発、社外ネットワークの活用、そしてコンサルティングサービスの提供を通じて習得してきた。今後はこの技術とノウハウを活用し、リスク管理事業として事業化することにより、組織へのリスク管理の浸透・定着や、リスクを考慮した意思決定を支援し、企業経営および社会の安定に寄与する。

シナリオにもとづく供給計画のリスク分析と意思決定支援

製品ライフサイクルの短期化が急速に進んでいる。ライフサイクルが短くなると、供給が実際の需要よりも少ない場合に、製造ラインを増強しても増強が完了するころにはライフサイクルが終了して多大な機械損失を被る場合が増える。逆に供給が実需よりも多ければ、過剰な在庫をライフサイクル内で売り切ることが困難となり、在庫の破棄損失が大きくなる。このような状況下で供給の意思決定が企業収益に与える影響が大きくなってきており、定量的評価に基づく意思決定が不可欠となっている。本報告では、需要が予測よりも好調な場合の増産の意思決定と、需要が低迷している場合の減産や割引き実施の意思決定に、リスク分析を適用した事例を紹介する。リスク分析によって、複数のシナリオ案の定量的な比較および評価が可能となる。分析結果および、分析では定量化できない事項もあわせて検討することで、最適な意思決定が実現される。

半導体製造業向け在庫最適化支援システムの開発

半導体・液晶などの製造ラインは製造工程数の規模が大きく、またリワークや設備故障など製造実施中での不確実な変動要因が多いことから、従来の生産計画システムでは対応が困難であった。(株)日立東日本ソリューションズでは、このような大規模製造ラインの生産効率化技術として、2003年度より独立行政法人産業技術総合研究所殿と「半導体製造向け高効率生産制御手法」の共同研究を実施し、階層型分散制御手法を開発した。本手法は製造ラインの生産コントロール指標の最適化、および指標に基づくコントロール方法を提供する。計算機評価実験により本手法で大規模製造ラインの生産効率を向上できることを示した。2004年度に研究成果の事業化に向け「在庫最適化支援システム」の開発を行った。現在、システムの実ライン適用評価と顧客獲得に向けた活動を推進中である。

推定マーケットデータを使用した消費財系新製品の需要予測手法

長期間の時系列データを持つ既存製品の需要予測では、その変動パターンを統計的に分析する手法が用いられている。市場投入初期の新製品の場合は、十分な時系列データが得られないため、一般的には新製品に類似した既存製品の時系列データを新製品の過去の時系列データとして仮定し、統計的手法を適用している。しかし、この方法では、多くの新製品で予測精度が低いことが問題となっており、新製品は需要を高い精度で予測できる新たな手法が必要とされている。本報告では、新製品の短期時系列データ、累積総需要量、製品寿命の3つの情報をもとに予測する手法を提案する。この手法では、製品寿命で累積総需要量に到達し、短期時系列データに最も適合するという条件から需要予測値を計算する。実データを使用した評価実験により、提案手法が新製品の予測精度を改善し、また、従来手法と組み合わせることによって、さらに多くの新製品に対して高い精度で予測できることを確認した。

在庫分析サービスのための分析ツール開発

在庫適正化はサプライ・チェーン・マネジメント(SCM)の重要な課題の一つである。最適在庫の研究には長い歴史があり、多くの理論が存在する。しかし実際の業務への導入は必ずしも順調ではない。これは理論を実に適用するときに必要となるノウハウの不足が原因であると考えられる。(株)日立東日本ソリューションズでは在庫分析サービスを提供してきており、豊富なノウハウと実績を保有している。これまで、このサービスでは顧客の業務にあわせた分析を行うために表計算ソフトや統計計算パッケージを利用してきた。今回、これまでに蓄積してきた事例や計算テンプレートをまとめ、業務効率向上を図るために、在庫分析用のツール開発を行った。開発では、はじめに同サービスの共通作業の洗い出しを行った。続いて、その作業をより効率的にサポートするための機能を設計した。

SCMを支える在庫分析ソリューション

製造業および流通業においては、即納や短納期化などのサービス要求の高まりや、キャッシュフロー経営の浸透による過剰在庫へのマイナス評価の定着などによって在庫適正化のニーズが高まっている。(株)日立東日本ソリューションズは、ForecastPROをベースとした需要予測関連のソリューションビジネスの一環として「在庫分析ソリューション」を展開してきたが、本ソリューション単独の引合いや、本ソリューションを契機としたシステム受注が増えている。在庫計画に関する問題は理論のみでも、実践のみでも解決が困難な問題であるが、シミュレーション技術をベースに現状分析、改善案の仮説立案、検証を中心としたアプローチにより、多くのお客様にソリューションを提供してきた。

金融機関向け内部監査ソリューション

預金者保護の観点や不祥事件の発生などを背景に、金融機関にはより一層の内部管理体制の強化が求められている。それを主体的に進めるのは経営陣と、経営陣から内部監査を委託された監査部門である。従来の監査部門の役割は業務運営のチェック、つまり事務規定などの業務ルールに沿った業務運営がなされているか否かの検証が中心であった。これからは業務運営のリスクを検証し改善を提言する立場へと役割の変革が求められている。金融機関の内部監査を支援するパッケージ製品として、(株)シティアスコム殿の内部監査支援システムPiASSがある。日立東日本ソリューションズは地方銀行での開発・提案実績を基に、PiASSをベースとしさらにリスク管理手法の高度化および内部管理体制の強化を図るための機能を備えたソリューションの提供が可能である。本稿では地方銀行での事例を基に内部監査ソリューションを紹介する。

ユビキタスカードビジネス向け「KeyMobile簡易発行システム」の開発

近年、ユビキタスという言葉が一般的に使われるようになり、あらゆるモノがネットワークを介して接続される。いつでも、どこでも、誰でも、どのような機器からでも必要な情報をやり取りできるユビキタス情報社会が現実のものになってきている。
(株)日立東日本ソリューションズ(以下、当社と記す)は、このようなユビキタス情報社会に向けたユビキタスカードの研究・開発を、(株)日立製作所IDソリューション事業部の下で進めてきた。そしてKeyMobileと呼ばれる、新しいカードを実ビジネスへ展開するにあたりKeyMobile簡易発行システムを当社のソフトウェアパッケージ製品として開発した。当システムの開発では、安価なシステム構成でKeyMobileに効率良く認証データを書き込む(発行と呼ぶ)ことを課題とし、発行スキームや前提とする機器、大量発行時の運用面を中心に検討を進め、1台のPCで複数のKeyMobileを同時発行するシステムを実現した。
今後は、当製品に対する顧客評価を踏まえて、より一層、実ビジネス環境で活用できるものに改良していくとともに、KeyMobileビジネスとして企業情報システム向けのソリューション展開、さらにはユビキタス情報社会に向けたソリューションの拡充を図っていく。

CoreExplorerを活用したテキストマイニングソリューションの開発

テキストマイニングとは、自由記述分のテキスト情報から、内容の傾向や言葉の相関関係を抽出する手法である。本報告では、テキストマイニング機能を有する製品であるCoreExplorerを活用したテキストマイニングソリューションについて紹介する。従来、同製品の機能は出力される特徴語の頻度情報からの分析のみであったが、文書の著者と文書が属する技術など異なる属性の特徴語どうしの関連を分析する機能や、特徴語をカテゴリにまとめる機能を新たに開発した。分析結果の出力には、数値化された分析結果を表形式に出力する機能と、階層的に定義された複数のカテゴリに属する特徴語を視覚的に表現するビューワを用意した。これらの機能を選択・組み合わせることにより、異なる分析要求に適用した事例を示す。

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