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さまざまな制約の中、19世紀には世界に先駆けて、通販に対応するまでの発展をとげた我が国の物流であったが、その後は紆余曲折を重ねた。
明治維新(1868)の文明開化と西欧化、と言えば司馬遼太郎の「坂の上の雲」。手を伸ばせば届きそうな、坂の上に掛かる雲のごとき西欧文明を追いかけた時代。1871年にはパリコミューン事件後の1878年、処遇に不満をもつ近衛方兵隊が蜂起。世に言う竹橋事件である。
当初、物流を重視していたフランス軍学に学んでいた我が国は、あわてて軍事直喩を発布、以後、メッケルの指導によるドイツ軍学に方向転換。前線重視、後方支援軽視に傾斜していく。「輜重・輸卒(しちょう・ゆそつ)が兵隊ならば、ちょうちょ、トンボも鳥のうち…」。
整備や補給を行う兵をあしらった当時の戯れ歌である。それまでは軍師の下、統制され重視されてた物流(保守含む)が、近代化の過程でこんなにも軽視されるに至ってしまった。結果、続く大戦では緒戦の優勢もつかの間、前線拡大にともない兵站(へいたん・後方支援・軍事的な物流)が伸びきったところを、情報網にすぐれた連合軍の補給線の分断・孤立化戦略により、我が勢はコテンパンな目にあってしまった。叩かれて、あらためて物流の重要性を身を以て知る事になったのである。
ところで背景が戦時中の映画といえば、近年、宮崎駿「風立ちぬ」。そして百田尚樹「永遠の0(ゼロ)」。
登場するのは日本海軍零式艦上戦闘機、通称、零戦。当時、世界の最新鋭機も三菱の名古屋工場から各務原飛行場に牛車に乗せて搬送。道路事情が悪く、トラックが走るのには道幅がせまく、未舗装道なので、振動で機体損傷の可能性もあったので、牛車を利用したのだった(映画中のエピソードにもある)。「零戦のロジスティクス」は、なんとものんびりしたものだった。
さて、戦後の高度成長期は舗装道路の普及、高速道路網の整備にともないトラック中心の輸送が著しく発展。空港物流・港湾物流への参入は莫大な設備投資が必要なので政府の関与や大きな資金力をもつ企業に限られていたが、ともあれ日本の物流は大中小・一丸となって世界との距離を一気に縮めた。ところが大量生産・大量消費・大量廃棄の後、バブル崩壊。またしても、我々はカタストロフを体験し、「過剰ではない適切な在庫とはなにか?」、「モノは運ぶだけではダメなのか?」と、これまた痛切に感じ入ったのであった。
物流とは商流に対する物的流通からできた言葉であり、モノの流れ(物流)とは、発地から顧客の目的地への流れ、作業を言う。国土交通省総合政策局貨物流通施設課によると、「ロジスティクス」とはサプライチェーンプロセスの一部であり、モノ・情報の流れや保管を計画し、実行し、制御すること。そして、SCM「サプライチェーン・マネジメント」とは、ロジスティクスのプロセスを計画し、その運営、実行をコントロールする事、と定義している。現代のロジスティクスでは、モノ・情報の制御にコンピュータシステムが不可欠であり、モノが流れるところには金融システムが連動する。近年注目されているのがこれらを統合したLogistics Technology, Information Technology, Financial Technology(LT, IT, FT/三位一体・トリニティ等)という概念である。
というわけで、次回からは、いよいよ本格的な物流に進んで行こう。
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