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業務プロセスとは
-プロセス図の書き方や図を活かした改善方法を解説-

デジタル化と業務効率化プラットフォーム「AppSQUARE」

業務プロセスは、販売や生産管理など様々なタスクが連鎖して成り立っています。業務プロセスは図にして可視化されることが多く、可視化データを参考に各業務の改善に取り組むのが一般的です。
当記事では業務プロセス図の書き方や改善手順を解説しています。無駄のない業務プロセスを築くためにも、内容を確実に押さえておきましょう。

業務プロセスとは

業務プロセスとは企業や組織における販売や生産管理など業務の流れのことを指します。業務には様々なタスクが細かく分けられており、それらがスムーズに繋がることで業務プロセスという流れが生まれます。

企業の価値は業務プロセスの効率に左右されると言っても良いほど重要です。業務コンサルタントと呼ばれる人が中心となって取り組み、「働きやすさ」「業務効率」「利益向上」などを目的にプロセスの効率化を目指すのが一般的です。

業務プロセスの重要性

業務プロセスの効率化が進むと、経済的・時間的・人的なリソースの消費を最適化します。業務プロセスは改善作業が繰り返されて効率化が進み、その効果は企業・組織の規模が大きくなるほど高まります。

基本的に、企業が発展を続けていく上で、効率的な業務プロセスは欠かせません。業務プロセスは新しいツール・設備の導入や、世の中の働き方の変化、経済の影響などに合わせて常に改善が必要で、臨機応変に改善を続けることで企業の価値を維持できます。

業務プロセス図とは

業務プロセス図は、業務プロセスにおけるタスクを流れに沿って可視化したものです。プロセス図を作ることで業務が可視化でき課題・問題点が洗い出しやすくなります。また、プロセス図があることで業務全体の流れを関係者全員が認識の齟齬無く理解できるようになります。

プロセス図は主に図形を用いて各タスクの流れを可視化します。図形は部門や作業内容によって区別し、比較的誰が見ても理解できるように作成しましょう。以下は簡易的なプロセス図の参考例です。

業務プロセス(フロー)図

以下で解説する3つの項目を念頭に置いて作成すれば質の高い図が作成できます。

【業務プロセス図を作る際に意識すること】

  • 良い業務プロセス図と悪い業務プロセス図の違いを把握する
  • 図形を使って分かりやすい図にする
  • 作成する意義を理解する

良い業務プロセス図と悪い業務プロセス図

誰が見てもわかりやすい図にするには「開始点」が重要です。開始点は一つにすることで、業務の流れが掴みやすくなり、短い時間で図の全体構造を理解しやすくなります。

【悪い業務プロセス図の例】

悪い業務プロセス(フロー)図

例のように開始点が複数あると、初めて図を確認する担当者はどこから把握していけばいいのか分からなくなり、スムーズに理解ができなくなってしまうでしょう。

図形を使ってわかりやすい図にする

業務プロセス図では必ず「図形」を用いて作成しましょう。企業によっては図形の部分をイラストや写真にして工夫しているところもありますが、図形以外を使用すると統一性が維持しにくくなるため、あまりおすすめできません。

基本的には企業ごとにプロセス図を作成する際のルールを規定して、誰が作成しても図形が適切に使い分けられた状態で完成するようにしましょう。

作成する意義を理解する

プロセス図は企業内で決めたルールに則って作成することで、概ね誰が作っても安定した質で出来上がります。ただし、図の構成などは作成する人の業務に対する認識に沿って作られるため、作成者によって違いが発生する可能性があります。

少しでも質の高いプロセス図を作成するには、作成者がプロセス図を作る意義を理解しておくことが重要です。「なぜプロセス図を作るのか?」「誰のためにプロセス図を作るのか?」などのように本来の目的を再認識しながら作成することで、関係者の多くが理解しやすいプロセス図を作れるようになるでしょう。

業務プロセスの活用効率を高めるポイント

業務プロセスは企業の価値を左右するほど重要であるため、企業は日頃から意識的に業務プロセスを活用することが求められます。それにより企業全体の業務効率が常に改善され続けるだけでなく、世の中の流れや経済情勢の変化に対しても柔軟に対応できるようになるでしょう。
以下は業務プロセス活用時に、活用効率を高めるためのポイント3つです。

【業務プロセスの活用効率を高めるポイント】

  • 可視化してプロセスを把握
  • 可視化したデータを参考に改善
  • ツールの活用

可視化してプロセスを把握

業務プロセスを改善するためには、まずは可視化しないと始まりません。可視化していなくても、各タスクがきちんと管理されていることでスムーズに進行しているレアなケースもありますが、基本的にはプロセス図を作って可視化するのが一般的です。

また、業務プロセスを可視化するうえで有効なものに「業務一覧表」があります。業務一覧表は、業務を体系的に上位から下位までまとめあげたもので、プロセス図を作成する際に役立ちます。以下は業務一覧表の参考画像です。

業務一覧表イメージ

可視化したデータを参考に改善

業務プロセスを可視化して把握できたら、それを参考に改善を行いましょう。
業務プロセスの改善によって活用効率が高まるだけでなく、以下のような効果も生み出します。

  • QCDの改善に繋がる
  • 属人化の防止に繋がる

QCDの改善に繋がる

業務プロセスはQCDの改善にも繋がります。QCDとは「Quality(品質)」「Cost(費用)」「Delivery(納期)」の頭文字を取ったものです。
QCDは生産管理の軸と考えられている3つの項目で、案件を取り扱う上でどれも疎かにすることができません。

業務プロセスを改善するということは、各タスクの課題点を洗い出して改善することと同義であるため、必然的に業務効率化・生産性向上に繋がってQCDが改善します。

属人化の防止に繋がる

業務プロセスを可視化することで、プロセスに関わる担当者や業務内容、目的が整理・適正化されます。これにより、各タスクの作業内容の標準化が目指せるようになり、属人化を防止できるようになるでしょう。

業務の効率化において属人化の排除・防止は重要なポイントの一つです。属人化したプロセスが存在すると、本当に効率の良い作業ができているのか判断がつきにくくなるだけでなく、万が一担当者が不在になった場合に代わりを務められる人がいなくなってしまいます。

ツールの活用

業務プロセスの活用効率を高めるためには、効率化が図れるツールを利用するのも一つの方法です。弊社が開発した「AppSQUARE」は、ワークフロー管理の機能で業務プロセス図の作成・変更が柔軟に行えます。

下記のサンプルワークフロー図のように、ワークフローの分岐や並列プロセスの定義も可能です。並列プロセスとは、複数の部門・担当者が並行で業務を進めるプロセスのことです。下記サンプル図では、開発部、設計部、サポート部の3つの部門が回答承認を並列で進めています。
こういった並列プロセスにも柔軟に対応できます。

問い合わせ対応フロー

業務プロセスの改善手順

業務プロセスの改善は企業の成長を促進するためには欠かせない取り組みの一つです。正しい改善手順を知り、手順に基づいた改善を行うことでムダ・ムリ・ムラのない業務プロセスを構築しましょう。

【業務プロセスの改善手順】

  1. 業務プロセスの可視化
  2. 課題の明確化
  3. 改善策の検討
  4. 運用しながら改善を繰り返す

業務プロセスは新しいツールの導入や、世の中の働き方の変化、経済の影響などに合わせて継続的に改善を行う必要があります。そうすることで企業の価値を維持できるだけでなく、各従業員の負担を最小限に抑えられるようになるでしょう。

業務プロセスの可視化

業務プロセスを改善するにあたり、まずは現行の業務プロセスを可視化します。可視化ができれば、業務プロセスの全体像が把握しやすくなるだけでなく、課題が明確化するため改善作業をスムーズに取り組めるようになるでしょう。

逆に、この時点で業務プロセスが正しく把握できていなかった場合、効果的な業務プロセスの改善に期待が見込めなくなるため注意が必要です。
業務プロセスを可視化する際は業務プロセス図を使用して可視化しましょう。タスクが多い場合には業務一覧表を使うと可視化の作業効率が向上します。

課題の明確化

業務プロセスの可視化が完了したら、そのデータを参考に課題や改善点を明確化しましょう。課題や改善点は業務プロセスの改善を繰り返すことで何度も新しく発生するため、一度に全てを洗い出そうとして時間をかけすぎないようにしましょう。

課題や改善点を明確化する際は以下のポイントを意識しながらやると効率よく行えます。

  • 継続的にミスが発生している業務はないか
  • 無くても困らない業務はないか
  • 適切な人材配置ができているか
  • 業務の順番は適切か
  • ツールや設備の導入によって効率化できる業務はないか

既存の業務スタイルが完璧なものと捉えずに、「何か他の方法はないか?」と考えながら課題や改善点を明確化していきましょう。

改善策の検討

課題が明らかになったら、その課題を解決するための改善策を検討しましょう。業務プロセスの改善策の検討に取り組む際はECRSというフレームワークの観点で考えることを推奨します。ECRSとは以下の4つの単語の頭文字を取って作られた言葉です。

  • Eliminate(排除) : 不要な業務・タスクの排除
  • Combine(結合) : 異なる作業の結合
  • Rearrange(再配置) : 人材配置の再構成
  • Simplify(簡素化) : 自動化やツール・設備の導入

改善策を練る際は以上で示す4つの観点から検討し、いくつかの案を出しながら比較検討をして何度もブラッシュアップしていきましょう。
現場の従業員や管理職の人など立場の壁を超えて検討することが重要です。そうすることで、実際の業務から乖離しすぎない正しい改善策が立てられるでしょう。

運用しながら改善を繰り返す

改善策のブラッシュアップを重ねて最適な策が決まったら実際に運用していきましょう。まずは試験的に運用を開始して、作業効率を逆に低下させていないか、課題他改善点は解決しているかなどを確認しながら運用を続けます。もし、運用を続けていく中で新たな問題点が浮き彫りになったり、変化が生じなかったりした場合は改善策を修正して再運用を目指します。

以上の流れを、理想とする業務プロセスが構築されるまで繰り返しましょう。理想とする業務プロセスが実現できたかどうかは、数週間から1ヶ月ほど様子を見た上で問題が発生しないかどうかを基準に判断するのを推奨します。

まとめ

業務プロセスとは、企業や組織における販売や生産管理などの業務の流れのことを指します。業務プロセスの効率化が進むと、経済的・時間的・人的なリソースの消費を最適化でき、その効果は企業の規模が大きくなるほど高くなります。

業務プロセスの改善は基本的に業務プロセス図を使用して行いますが、正しく作られたプロセス図でないと十分な効果を発揮できません。
正しいプロセス図を作成するためには、良い業務プロセスを適切な図形を用いて作成しましょう。

改善作業は継続的に行わないと意味がなく、1つの業務プロセスの改善が完了してもさらに新たな課題が生まれるため、課題が浮き彫りになるたびに改善策の検討を行う必要があります。

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