ページの本文へ

Hitachi

サイト名称

オリンパス株式会社様インタビュー

商品の欠品は機会損失となり、一方過剰在庫は財務的な損失につながることがあり、バランスのとれた理想的なPSI(Production、Sales、Inventory)計画及び実行の立案が、多くの企業で顧客満足度の向上と財務体質改善のバランスの中で課題とされてきた。そこで世界的な光学機器メーカーであるオリンパス様にて構築したのが需給調整型の「グローバル統合PSIシステム」であった。

同社では販売計画から生産計画に至るPSI構築プロセスを有機的に連携させ、その視える化、システム化と業務標準化によって顧客満足度の向上、財務体質改善、業務効率向上を達成をするべく、SCM改革プロジェクトを発足させた。ここで需要予測ツールとして日立ソリューションズ東日本の需要予測支援システム『ForecastPRO』を採用。精度検証を経た後、在庫状況をモニタリングするツールとして生販在調整・在庫可視化ソリューション『SynCAS PSI Visualizer』を採用した。これらを新開発の『グローバル統合PSIシステム」へ組み込むことで、高精度な需要予測を実現。また、本社における在庫金額においては2年前から約30%削減を達成している。

オリンパス株式会社様インタビュー

【写真左】オリンパス株式会社 IT本部 事業IT推進部 本望博行 氏
【写真左から2番目】オリンパス株式会社 科学製造本部 科学業務部 グループリーダー 山田芳宏 氏
【写真右から2番目】 オリンパス株式会社 科学製造本部 科学業務部長 定地 修 氏
【写真右】オリンパス株式会社 科学製造本部 科学業務部 チームリーダー 加藤 哲 氏

導入のポイント

  • 自社システムである『グローバル統合PSIシステム』へ容易なアドイン&短期的な組込み。
  • 「グローバル統合PSIシステム」構築(2014年7月から稼働)後、約3ヶ月程度で第1STEPとして、需要予測ツールForecastPROを組込み完了。
    第2STEPで、調整機能の一部として『SynCAS PSI Visualizer』の組込み完了。
  • 『ForecastPRO』で需要を予測し、『SynCAS PSI Visualizer』で効率的に在庫をモニタリングし、需給調整を実施。

導入の効果

  • 需要予測の誤差率は、顕微鏡分野で22.2%、工業用内視鏡では33.6%。
  • 本社在庫金額ベースで約30%の在庫圧縮を実現。
  • 四半期に実施する全製品の生産計画見直し作業は従来30日かかっていたが7日間に短縮、計画見直しに掛かる工数も半減に成功。

創業のDNAを継承するオリンパス科学事業

オリンパス株式会社様インタビュー定地氏
定地氏

オリンパスは、創業者である山下長の「国産の顕微鏡を作りたい」という夢からスタートした。1919年(大正8年)10月に高千穂製作所(現:オリンパス)を創立、そのわずか半年後に顕微鏡「旭号」を世に送り出した。

--「それから、現在に至るまで、顕微鏡メーカーとして多種多様な顕微鏡を製造販売しています。そしてこの創業のDNAを受け継いでいるのが、私たち科学事業です。」と、科学業務部長定地 修 氏は語る。

科学事業は、5つの製品分野を担当している。主な製品分野は、生命科学の最先端を目指す研究者や製造現場での品質管理に役立つ顕微鏡、航空機のエンジンや大型プラントの配管内部の亀裂や腐食などを検査する工業用内視鏡。そして石油のパイプラインや発電所など社会インフラ設備の保守点検に使われる非破壊検査装置である。

製造拠点は日本と北米を中心とし、販売網は、日本国内はもちろん、アジア、欧州、アメリカ、オセアニアと世界をカバーしている。それぞれの地域の専門家(病理医、研究者、検査員など)に最適な製品とソリューションを提供し、世界の人々の安全・安心・健康に貢献しているのである。

顧客満足度と在庫適正化の両立を目指す

オリンパス株式会社様インタビュー山田様
山田氏

--「優れた顕微鏡を提供できるメーカーは世界でも限られています。そのため、お客様や市場に対して欠品を起こさないこと、納期を守ることが最大のミッションとなっています。」と、定地氏は強調する。

大学、研究部門、医療施設、民間製造部門などのニーズに迅速な対応が求められることが多く、ほとんどの製品は完成品在庫としてストックしています。納期の確保は顧客に対するコミットメントであり、SCM視点では大変重要なことです。そのために完成品在庫を確保しているのですが、その一方、過剰な在庫は利益を圧迫する。財務体質の強化のためにも、在庫の適正化が経営から強く求められていた。

--「そこで、顧客満足度の向上と在庫適正化を両立させるグローバルSCM改革プロジェクトを発足し、関係者のアイデアを集約したグローバル統合PSIシステム『GIPS』を構築することにしました。」と、グループリーダー 山田芳宏 氏は経緯を説明する。

正確な需要予測をベースに生産計画を立案しなければならないが、需要予測や販売計画には営業や経営サイドの目標や期待値が加わっており、実際の実需とは異なる数値が設定される場合があります。さらに、この異なる需要計画の精度を確認するツールもなく、いうなればブラックボックス化した状態でした。また、販売計画と生産計画は本来は密接に関連していなければならないが、人間系の手が入ることにより、両者の工程は「勘」と「経験」と言う可視化とは程遠いブラックボックスの塊でした。

--「各販売部門から提示される販売計画の数値に疑問を感じても、どこにどんな問題、課題が内在するのか、あるいはなぜおかしいかをロジックで指摘できない。それを毎日、勘や経験で生産調整をしている製販担当者がいるわけです。これでは経営の要請を達成できないと思ったのです。
そこで、販売計画策定のプロセスを可視化し、何故、そのような数字が作られたのか課題を可視化させた。そのツールがForecastPROです。予測の精度を上げるのではなく、販売計画とForecastPROの作る過去からの販売実績の乖離を明確にしました。そうすると販売側や経営の期待値部分があきらかになり、どの地区が、どんなモデルを、何台が意思で積上げているのかわかるようになった。
また、過去の販売実績から算出された各モデルの最適在庫保有台数を設定し、そこから押し出した生産計画の立案工程をも可視化することにしたのです。そうすると殆どの計画プロセスからブラックボックスが排除することができ、PSI意思決定プロセスが可視化されたのです。
そして、誰がやっても同じ数値が出るようグローバルPSIプロセスを標準化することができました。ようやく製販担当者が実行してきた「勘」と「経験」を排除でき、業務効率向上とグローバルPSIプロセスを可視化できました。」
と定地氏は補足する。

コストパフォーマンスで『ForecastPRO』と『SynCAS PSI Visualizer』を採用

オリンパス株式会社様インタビュー山田様

SCM改革プロジェクトで構築を目指したのが「グローバル統合PSIシステム」である。PSI(生産:Production、販売:Sales、在庫:Inventory)を視える化し、各種統計手法から算出された需要予測と最適在庫数量をベースにして生産計画を立案するシステムだ。

ここにおいて必要となったのが明確な統計ロジックに基いた需要予測ツールと在庫を視える化・業務効率化を実行するツールであった。国内で入手できる数点のツールを比較検討し需要予測としては日立ソリューションズ東日本の提供する需要予測支援システム『ForecastPRO』を、在庫の視える化ツールとしては、生販在調整・在庫可視化ソリューション『SynCAS PSI Visualizer』を採用した。

--「セミナーにお伺いし、当社の求める機能が十分に備わっていることを確信できました。」と、山田氏は評価する。

--「ユニークな製品だと思いました。ロジックがとてもシンプルでわかりやすい。コスト的にもリーズナブルでリスクがありません。値の張る製品になると億単位になります。」と、定地氏も認める。

『ForecastPRO』は既存データを用いて数カ月ほど実行可能性の検証を実施し、精度の高さも確認でき、システム構築に着手した。

グローバル統合PSIシステムの稼働と拡張

オリンパス株式会社様インタビュー本望様
本望氏

グローバル統合PSIシステムは2014年7月から稼働を開始した。S(販売:Sales)の販売計画は『ForecastPRO』が担う。I(在庫:Inventory)の在庫視える化は『SynCAS PSI Visualizer』が担う。さらに、BIツール(Business Intelligence Tool)により、SCMデータと財務データを同時に関係者で確認し、意思決定の迅速化を実現した。これは基幹系システムから必要な実績データをダウンロードし、在庫や必要実績をグラフ化、誰もがモニタリングしやすいように工夫している。
また営業部門からのキャンペーン情報、開発部門からの新製品開発の情報も取り込んで、最新の需要予測を用いて供給(生産)計画を逐次アップデートしている。

--「P(生産:Production)の生産計画均等化の仕組みは自社で開発したシステムです。今まではこの均等化は工場側で多くの時間を割いて人手で行っていましたが、このシステム構築により、月次の生産計画数が算出され、その数値を自動で工場の均等化条件に基づき、日割りの生産計画を作成し長野工場に転送しています。」と、IT本部 事業IT推進部本望博行 氏は解説する。

--「I(在庫:Inventory)は、SynCAS PSI Visualizerを活用しています。対象製品は顕微鏡と工業用内視鏡、両方で3000品目に及びます。向こう3カ月間までの在庫を想定して、3カ月以内に欠品、すなわち「下限値を下廻る」と予想されるとアラートメールがPSI担当者まで配信されます。これを受けて、生産工場に対して、日程の吸い上げ或いは増産の要請を展開しています。要するに人間が管理できる限界を超える品目数と増減産調整が頻繁に発生するわけですから、如何に効率的に需給調整の意思決定がされるかがポイントであり、残業時間の削減、ヒューマンエラーの防止にも効果を発揮しています。」と、定地氏は語る。

予測精度7割、在庫圧縮3割を実現

オリンパス株式会社様インタビュー加藤様
加藤氏

グローバルPSIシステムは稼働1年ほどで目覚ましい成果をあげた。

-- 「顕微鏡分野の誤差率は22.2%、工業用内視鏡では33.6%。合わせて7~8割ほどの精度を実現しています。」と、山田氏は笑顔を見せる。

過剰在庫は次のステップとしながら、グローバル統合PSIシステム稼働後は在庫は着実に圧縮されている。

--「金額ベースですが、1年ほどで本社在庫を30%の圧縮に成功しています。」(山田氏)。

このほか、生産計画策定を標準化すると同時に、その工数も半減されている。

--「従来、生産計画策定は個人の経験や力量に依存していたが、システム化により人的要素を排除することができ、30日ほどかかっていた作業が7日で終了しています。その改善された時間で在庫分析担当者(インベントリーアナリスト)を育成し、在庫分析及び在庫適正化活動を推進しています。」と、チームリーダー 加藤 哲 氏も効果を語る。

需給調整型PSIシステムをグローバル展開

オリンパス株式会社様インタビュー定地様

グローバル統合PSIシステムはステップ1として、本社側のみでの販売予測や在庫管理に限られていた。しかし、同社ではワールドワイドにセールス展開しており、世界各地に在庫を持っている。

--「これからはグローバル統合PSIシステムを世界展開していきます。すでにその取り組みを開始しており、さらに大きな効果を期待できると思います。」
と、山田氏は今後の展開に自信を見せる。

最後に需要予測や在庫適正化を課題ととらえている企業へのアドバイスを伺った。

--「我々製造業は生産工場に関わる固定資産や生産用部品、完成品など非常に多くの「コスト」を抱えて事業展開をしています。これらの「コスト」を如何に、効率的・効果的に販売し、キャッシュに切り替えるかが、ポイントです。

それには出来るだけ可視化された、あるいはデータに裏づけされた意思決定プロセスが存在すべきであると思います。需要予測や販売計画はどうしても経営の期待値になりがちです。そのままの期待された需要予測にしたがって生産を実行するのではなく、様々な各種実績データや統計データ、直近の市場データに基いて可視化された需要予測を用いて生産計画を実行させることが総合的に重要だと認識しています。やはり、販売計画の策定プロセスが重要なのです。

S&OP(Sales & Operations Planning)の発想に基いて、事業計画プロセスが可視化され、経営計画に則った販売計画(台数x金額)が構築されることがポイントです。要するに経営の販売期待とForecastPROで構築された実行計画の乖離部分を理解した上で無理・無駄のない可視化された生産計画の構築を行うプロセスが需要なのです。
その後、定性的なPSIモニタリング(PSI Visualizer)による乖離分析により生産調整は適宜実行されます。
全ての計画プロセスの関連を明らかにして、システム化(ルール化)し、経営への説明責任を果たせるロジックと、誰が作っても同じ結果が得られる仕組みが必要だと思います。
今回は低コストながら大変完成度の高いシステムを構築できました。日立ソリューションズ東日本に感謝しています。」

と、定地氏は話を結んだ。

お客さまプロフィール

オリンパス株式会社様ロゴ

概要
社名 オリンパス株式会社
設立 1919年(大正8年) 10月12日
本社 〒163-0914 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス
代表取締役社長 笹 宏行 氏
資本金 1,245億円 (2015年3月31日現在)
従業員数 31,540人 (連結、2015年3月31日現在)
事業内容 医療、ライフサイエンス・産業、映像を中心に幅広い最先端技術の開発と製造及び国内外への販売・コンサルティング・サービスを展開している。オリンパスの社名は、ギリシャ神話で神々が住む山とされるオリンポス山にちなんでいる。

お問い合わせ・資料請求

生販在調整・在庫可視化ソリューションSynCAS PSI Visuializer
に関する資料請求・お問い合わせはこちら