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ヤマト特殊鋼株式会社様インタビュー

製造の現場ではIoTが大きな潮流となっている。ワールドワイドでは「インダストリー4.0」に代表される変革が叫ばれ、日本国内でも「スマートファクトリー」化に向けた取り組みが推進されている。
工場内の設備の稼働状況をデータとして収集し活用、場合によってはAIで処理することにより、工場の生産性を最大限に向上させる取り組みである。しかし、その実現には課題も多い。中堅・中小企業レベルではITに詳しい人材が不足している場合も多く、投資できる時間もコストも限られている。既存の生産設備もすべてがネットワークに接続されておらず、新たな投資と技術も必要となる。
これらを解決するのが日立ソリューションズ東日本の提供する生産性向上IoT/データ分析ソリューション『WellLine』である。設備の稼働状況を収集し、クラウドに蓄積。可視化・分析用のアプリケーションを使用し設備の稼動に着目した生産性を監視できるだけでなく、生産計画と照らし合わせての課題発見ができる。
この『WellLine』を導入し、国内複数工場の見える化に成功させたのがヤマト特殊鋼株式会社(以下 ヤマト特殊鋼)である。「稼働データを収集・分析して工場内の設備の最適化、工場間の負荷の平準化、さらには原価の改善に役立てたい」と担当者は語る。

導入のポイント

  • 原価を意識した製造現場マインドを定着させるための見える化の実現
    ◆ 工場の稼働状況を定量的に把握する
    ◆ 製品/工程の単位で稼働実態を把握する
  • 現場に受け入れられるシステムにしたい
  • 自社で独自の可視化や分析を推進できる

導入の効果

  • 原価の改善(作業標準時間の把握と実作業時間との乖離を把握)
  • 工場内の設備の最適化
  • 工場間の負荷の平準化

お話を伺った方

■ ヤマト特殊鋼株式会社 相談役 藤原 久芳 氏
■ ヤマト特殊鋼株式会社 総務グループ 長谷川 圭史 氏
■ スズデン株式会社 iファクトリー営業部 青木 義頼 氏 (WellLineセールスパートナー)

特殊鋼流通加工で業界をリード

ヤマト特殊鋼株式会社 様インタビュー
藤原氏

日本の「ものづくり」を支えてきたのは、高度な技術を持った圧倒的多数の中堅・中小の工場群である。ヤマト特殊鋼様もそんな代表的な企業の1社だ。特殊鋼とは、鉄に炭素以外のさまざまな元素を加えた合金鋼のことで、軽量化や長寿命化などの特性により、自動車の部品などに使用される。

--「当社は戦後に特殊鋼材料の流通業者として創業し、お客様の要求に応え、特殊部材の加工品を手がけるようになりました」と、ヤマト特殊鋼株式会社 相談役 藤原久芳氏は語る。
それまでは、流通を生業とした企業であったが、同業他社との差別化を図るために特殊鋼材料を加工し部品の形でお客様に納入することを始めた。加工の工程を担うことになったのである。

--「業界では先進的な挑戦でした。付加価値として加工品を始めたのですが、今ではこちらが主軸のビジネスとなっています」(藤原氏)。

現在では本社を東京都江東区に置きながら、山形・浦安・甲府・新潟・茨城に生産拠点を分散させ、国内屈指の特殊鋼流通加工業者となっている。

生産性向上を目指しシステム化を検討

--「グローバル化する社会の中で、日本の製造業は激化する競争の波にさらされています。もちろん、特殊鋼流通・加工の業界も同様で、これは間違いなく今後も続きます」と、藤原氏は断言する。

中堅・中小企業の生き残りが、避けられない大きな課題となる中、藤原氏は新たな取り組みに着手した。同社では工場の稼働把握するための仕組みを抜本的に見直し、生産性を向上させるためのシステム化に着手した。2019(令和1)年のことである。

同社では、NC旋盤やマシニングセンタと呼ばれる工作機械を使った機械加工を行っており、数名のチーム毎に10台前後の機械を運用している。1人あたりが担当する機械が複数台となる、いわゆる多台持ちのオペレーションである。また、1台の機械で日に何度も段取り替えを行い異なる加工をしなければならない。
工程間で実施される段取り替え作業に無駄があると、生産性に影響することになる。

--「当初は生産管理システムを探していたのですが、当社の課題解決に必要なのは稼働管理システムであることがわかってきました。しかし、単なる稼働管理では、社長が考える原価意識を高め改善につなげる仕組みにならないことも分かりました。」と、このシステム導入を取り纏めた総務グループ 長谷川圭史氏は説明する。

最終的なゴールは収益性・原価の改善であり、その手段(重要課題)として生産設備の稼働の把握(向上)を求めたのである。

--「それまでは日報が頼りでした。日報をまとめて見て、設備が何をいくつ生産したか把握していました。しかしこれではそれが適性なのか、無駄が多いのか判断もできなければ、原価と照らし合わせて評価することもできません。裏付けがないからです」と藤原氏は強調する。

工場全体の設備を見える化

ヤマト特殊鋼株式会社 様インタビュー
長谷川氏

担当者が1日に何度も工作機械の段取り替えをするが、ここに工作機械の停止時間が発生する。想定外のエラーが発生して停止してしまうこともある。これら工作機械の稼働状況を把握することは、これまで完全ではなかった。

当時、藤原氏は自ら各展示会へ出向き、情報収集をされており、その中で、簡単な仕組みで設備の稼働データを取得できる「パトライト AirGRID」に着目し、パトライト社からシステム提案が可能なパートナーとして紹介されたのがスズデン株式会社 iファクトリー営業部の青木義頼氏であった。

長谷川氏は青木氏に、システム構築検討に当たって次の点を考慮した。最初の2つは課題提起した藤原氏の意向によるものであり、3つめはシステム取り纏め者として長谷川氏が追加したものである。

1.単なる可視化ではなく標準作業時間の把握から原価との差が見えること

工場内の全工作機械の稼働状態を把握することは重要であるが、それだけでは不足。その製品を製造するのに
見合った工数になっているか、つまり原価的課題が見えるようになることを目指したい。

2.リアルタイムであること

後からまとめて情報を収集するのではなく、分散する各地工場内の設備の稼働状況をリアルタイムに収集。
そしてそれが、モニタに映し出されてリアルタイムに把握できるようにしたい。

3.現場に受け入れられること

トップダウンでのシステム構築になるが、現場が使いこなせて初めて効果が出る。現場でも活用できて、
必要と思ってもらえるような仕組みにしたい。

低コスト短期間での構築を実現した『WellLine』

ヤマト特殊鋼様の望むものは工場の生産性の向上/原価の改善である。そのためには実態の把握が必要であり、その手段として「IoT」の採用が選択肢にあった。しかし一方で最先端を行くIoT化は多岐に渡り複雑で、初めて取り組む中堅・中小企業にとってはハードルが高い場合も多い。
完成度の高い独自のシステムをイチから構築していては数年を必要とし、高コストになるだけでなく、その間に時代が変わってしまう危険性もある。

ここでスズデンの青木氏が提案したのが日立ソリューションズ東日本の提供する生産性向上IoT/データ分析ソリューション『WellLine』であった。設備から稼動データ収集するためAirGRIDとの連携機能を標準機能で提供しており、収集したデータを活用した可視化・分析用のわかりやすいアプリケーションも付属している。

「稼動可視化のソリューションは様々ありますが、原価との差が見えること、そして分析につなげられるという要件を満たせるものと考えると、日立ソリューションズ東日本のソリューションが最適と考えました。彼らは元々分析に力を入れていますし生産計画にも強い。計画との対比という考え方が、既に『WellLine』にはあったからです。」と、青木氏は振り返る。
2019年10月に検討を開始し、同年12月に採用が決定。システム導入が開始された。

--「『WellLine』は単なる可視化だけでなく、私たちユーザー自身の切り口で分析できること、そして原価と対比するための提案がありました。」と、採用の理由を長谷川氏は語る。

2月に標準機能、5月には拡張機能を完成

ヤマト特殊鋼株式会社 様インタビュー

まず対象としたのが山形グループ。導入は2ステップでの構築を採用した。まずは、簡単な配線のみ(または工事なし)で接続可能な10台程の設備にAirGRIDを設置し、WellLineで稼働状況を把握できるようにした。これがファーストステップであり、2020年2月に導入を行った。

次に、本来の目的達成に必要なデータである製品/工程単位の実績をタブレットで簡単に記録する機能、目標工数との対比機能などを付加するカスタマイズ(アドオン)を行った。ファーストステップの導入および運用と並行して現場のニーズを確認し日立ソリューションズ東日本が作り込んでいった。そのセカンドステップのリリースは、5月の連休明けであった。

--「日本中が新型コロナの非常事態宣言の最中で、移動もままなりませんでした。クラウドのメリットを活用して、サポートはすべてリモートからのオンラインで提供を受けました。それでも、問題なく稼働開始に成功しました。」と長谷川氏は振り返る。
その後2020年8月までかけて甲府と浦安の工場へとシステムを拡張させていった。

現場に大型モニタを設置し「見せる化」

クラウド利用のメリットとしてどこからでもリアルアイムに稼働状況が把握できるようになった。『WellLine』の画面には、各工場の現場フロアの配置を模したデザインのアンドン画面が表示される。アンドン画面とは、各設備の稼動状態が一望できるリアルタイム監視画面である。この画面は『WellLine』の機能を使って長谷川氏が自らデザインしたものである。その他、日々の設備稼働率の推移なども表示される。

--「原価の見える化のための最初の一歩。稼動が見えるようになりました。この設備稼働の推移を把握するのが毎朝の日課です」と藤原氏は笑顔を見せる。

--「私も毎日、折に触れてモニタを見ています」と長谷川氏も言葉を続ける。本社だけで見ているわけではない。システム構築を終えた工場は大型モニタを設置して、設備の稼働状況を確認できるようになっている。

--「『見える化』から『見せる化』へ効果を拡大させようとしているのです。稼働状況を気にし、原価を意識した行動を当社のカルチャーとして根付かせていくことで、改善に繋がると考えています」と、長谷川氏は期待する。さらに長谷川氏はセルフサービスBI機能を用いて独自の分析も進めている。『WellLine』はBI(ビジネスインテリジェンス)ツールがベースになっており、お客様自身がその機能を使えるセルフサービスBI機能を提供している。

--「経営層からのリクエストに応える形で進めています。何を見たいのか、何を知りたいのかを把握して、『WellLine』でグラフ化しています。仕組みがわかっていれば簡単です。表計算ソフトに慣れている人なら、操作できるのではないでしょうか」と、長谷川氏は作成したグラフを示した。

全工場を有機的に統合しバーチャル工場化

ヤマト特殊鋼株式会社 様インタビュー

2020年中には新潟と茨城の工場にも同様のシステム導入を進め、全工場の見える化を完了させる予定だ。まずは先行して見える化を浸透させてきたが、今後は工程の実績を把握し原価と比較するところにウエイトを移していく。あくまで原価を改善させる意識の定着が目的だからだ。
さらに、並行して構内設置カメラシステムの導入も進めている。

『WellLine』から設備稼動データとカメラからの動画を照らし合わせて相互関係を掴むことが可能になると期待している。
同社では新システムの導入効果を次のように展開していく予定だ。


1.工場内の設備の最適化

受注している製品と納期を見ながら、どのように設備を稼働させていけばいいかを考え、工場単位の設備稼働の
最適化を進める。

2.工場間の負荷の平準化

工場単位の負荷の差が見えてくれば、次は複数の工場の間で、作業のやり取りができるようにしたい。特定の
工場に作業の負荷が偏らないようにできると考えている。

3.原価の改善

従来は勘や経験に頼り、正確な原価管理ができていなかった。これからは、得られた情報をベースに最大限の
利益を期待できるようにしていく。

そして、最終的に目指すものは
--全工場を有機的に統合し1つのバーチャル工場とすることです。ネットワークを神経系に、最大限のパフォーマンスができるようにしたいと考えています。それで、これからの激化する競争に打ち勝っていきます」と、最後に藤原氏は目を輝かせた。

お客さまプロフィール

社名 ヤマト特殊鋼株式会社
設立 1949(昭和24)年1月
本社 〒136-8521 東京都江東区亀戸1-1-6
資本金 1億円(株主 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社 100%)
従業員数 125名
事業内容 鉄鋼切断、切削加工、マシンニング加工、研磨加工、スプライン加工、三次元測定などの一貫体制でお客様のニーズに対応

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