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日立ソリューションズ東日本

日本メドトロニック株式会社 様

日本メドトロニック株式会社 様

より良い顧客サービスをサポートする為の顧客情報管理(CRM)ツールは、すでに多くの種類が販売されている。
だが、顧客情報のほかに販売した製品のトラッキング(トレース)をしたいとなると、通常のCRMシステムでは困難となる。
さらに、『お客様専用のサイトを提供してお客様から各種情報を入力していただく』『管理担当者の変更や異動情報を収集する』『お客様からの相談や問い合わせ情報も管理できる』…。こうなると既存のパッケージの限界を超えるかもしれない。

そこで日本メドトロニック様が採用したのが、日立ソリューションズ東日本の提供する成果物管理システム「SynViz/DM」であった。
「SynViz/DM」をエンジンに、Webベースの会員制顧客サポートサービス「PUSH(フィジオコントロール・ユーザーズ・ハーバー)」を構築。
CRMを超えるお客様サービスの拡大と充実のインフラを、「PUSH」が可能にした。

導入のポイント

  • 法令(薬事法)によって必要とされる、AEDなど医療機器の設置先情報管理
  • 定期的な交換が必要となるAEDの消耗品管理(電極パッド、バッテリ等)
  • 修理や交換など製品の履歴迄含むトラッキングシステムの構築
  • 会員制Webサイトという使いやすいインターフェースを介した、顧客参加型のアセットマネージメントシステムの提供
  • 会員毎に最適な情報をお届けすることを可能にする、柔軟な情報提供システムの構築
  • 「SynViz/DM」をエンジンに、上記を統合した顧客情報管理システムを構築できること

導入の効果

  • 厚生労働省が主導するAEDの設置先管理、消耗品管理の確実な実現
  • 有効期限のある消耗品の確実な交換推進
  • 個々の会員に合わせたきめ細やかな情報のご提供
  • 会員から寄せられたお問い合わせへの確実な対応とデータベース化
  • 上記をベースとしたお客様対応の標準化
  • マーケティング情報の充実化

お話を伺った方

お話を伺った方

【写真左から】
フィジオコントロール事業部 部長 松尾 英樹 氏
フィジオコントロール事業部 プロダクトマネジャー 藤本 祐介 氏
フィジオコントロール事業部 営業サポート/ワークフローコーディネーター 菅原 真弓 氏

AED消耗品管理の課題

メドトロニック社(Medtronic, Inc.)は、1949年、電池式体外型心臓ペースメーカを開発したアール・バッケン氏が米国ミネソタ州ミネアポリスに設立した会社である。
以来、ペースメーカをはじめとした医療機器のリーディングカンパニーとして、世界最先端の医療技術と治療法を世界120カ国で事業展開し、慢性疾患をお持ちの方々の健康回復とQOLの向上に貢献している。日本メドトロニック様は、1975年に設立されたその日本法人である。

同社の事業の一つに、自動体外式除細動器(AED)を初めとする救急領域の製品を扱うフィジオコントロールビジネスがある。
AEDとは、心臓が全身に血液を流す機能を失った際(心室細動)、電気ショックを与え正常な状態に戻すための医療機器だ。
日本では医師しか使用を許可されていなかったが、2004年7月から一般市民にも使用が許可された。
その後、病院や診療所、救急車、空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業など、人が多く集まるところに設置されるようになり、目にしている人も多いだろう。

ライフパックCR Plus
ライフパックCR Plus

販売名:ライフパック CR Plus
医療機器承認番号:21700BZY00251000
高度管理医療機器/特定保守管理医療機器

日本メドトロニック株式会社様インタビュー 松尾氏
松尾氏

このように設置が進むAEDだが、数年を経て管理上の問題が浮かび上がってきた。 
AEDには、電極パッドやバッテリなどの有効期限のある消耗品がセットされている。AEDの管理が不十分だと、いざ使おうとした時にこれら消耗品の使用期限が過ぎており、使用できなくなる可能性が指摘されたのである。

--「本来ならAEDの持ち主あるいは設置管理者が定期的に交換するべきなのですが、『管理者がいない』『いても交換の必要性を認識していない』、さらには『所有していることさえ忘れている』場合が少なくないのです。
ことに、自治体単位で一斉導入したり、社会奉仕団体から寄贈されたケースでは、管理しなければならないという意識が希薄な場合も有ります。これは急速に普及した日本独特の事情かも知れません。」
フィジオコントロール事業部部長、松尾 英樹 氏は語る。

製品トラッキングの必要性

電極パッドとバッテリなどの消耗品は、およそ2年に1回交換することが求められている。
このため、日本メドトロニック様では製品を購入したお客様にハガキ等で通知を出すが、『返信がない』『担当が代わった』『製品が他の企業へ渡った』『買収等で会社名が変わった』…などさまざまなケースが発生し、対応に時間と人手を要する。
こうした状況でも、確実にかつ効率よく必要な情報をお届けし、ユーザーによる製品保守作業をサポートできる新しい仕組みが必要だ。

--「それまではCRMツールを使用して、世界共通のシステムでお客様情報や製品情報を管理してきました。しかし、この日本独特の事情を解決するには、従来のCRMツールを超えた新しいシステムが必要でした。」と、松尾氏は説明する。

日本メドトロニック株式会社様インタビュー 藤本氏
藤本氏

日本メドトロニック様ではその対策を2007年ごろから検討している。
AED管理に関しては厚生労働省でも重視し、各自治体に管理の徹底を促す指導がなされた。
医療機器である以上、管理責任の所在をあいまいにすることなく、徹底した管理が不可欠である。

新システムはお客様情報を管理するCRMであると同時に、販売した製品を管理するアセットマネージメントシステムでなければならない。
販売した製品をトラッキングするトレーサビリティシステムの機能も必要である。
さらに、お客様がWeb上から自由に情報を入力できる会員制サイトの側面も欲しかった。

--「こちらからの一方的なメッセージでは情報提供の限界があります。行政も促しているように、持ち主であるお客様の管理意識の向上が必要なのです。そのためには、魅力的なコンテンツをお客様毎に展開するマイページに掲載することで会員様を飽きさせない工夫をしなければならないですし、能動的に情報を入力してもらうように更なる工夫が必要です。」と、プロダクトマネジャー、藤本 祐介 氏は強調する。

成果物管理システム「SynViz/DM」の採用

日本メドトロニック様では要件をまとめ、数社のITベンダーに提案を依頼した。
これが2009年の5月。これらを検討して、日立ソリューションズ東日本に決定したのは9月のことである。

--「クオリティとコスト、デリバリのバランスが最も優れていました。提案内容の品質も優れていますし、問い合わせへもスピーディに対応してくれます。スパイラルアプローチという段階的な構築手法にも共感できました。」と、藤本氏は日立ソリューションズ東日本を評価する。

松尾氏も、日立ソリューションズ東日本が提案している成果物管理システム「SynViz/DM」に興味をもった。

--「パッケージをベースにしているので、短期間・低コストに構築できるのではないかと考えました。高度なドキュメント管理機能やワークフロー機能も用意されています。これを活用すれば、お客様からの質問や相談情報の蓄積と共有、それらへの対応のルール化もできます。大変将来性を感じました。」と語る。

「SynViz/DM」は作業の工程で発生するドキュメントなど成果物の管理・活用を可能にするパッケージである。
成果物のトレース機能を標準装備している上に、担当者や部署ごとにマイページを作成して、Web経由で情報登録できる。
これらの基本機能を利用して、日本メドトロニック様の望む会員制サイトの構築が可能だ。

サービスサイト「PUSH 会員サービス」をオープン

2009年10月にはキックオフミーティングが開かれ、要件の整理と設計作業に入った。年末には仕様が固まり、2010年1月から開発作業が開始された。4月にはインフラが整備され、アプリケーションを登載。5月からテストを開始。
6月25日には完成し、スケジュールどおり7月1日からオープンし、プレス発表をしている。
併せて会員には特定のAEDの保証期間を5年から8年に延長するサービスを実施し、話題となった。そのサービス名称は「PUSH」。

--「こちらからプッシュしていくシステムであることから、PUSH。Physio-Control User'S Harborの略でもあります。」(松尾氏)。

PUSH会員サービスサイト
PUSH会員サービスサイト

日本メドトロニック株式会社様インタビュー 菅原氏
菅原氏

「PUSH」は会員制のサービスであり、AEDを購入されたお客様が情報を登録することで、会員となることができる。
このサイトや登録された情報などを通じて、各種メッセージをお届けすることができるし、有用な情報も提供する。
登録された顧客情報を、従来のCRMのように管理し、譲渡等による製品のトラッキングも可能だ。

--「お客様からのさまざまな声を集め、属性ごとに集計して、かゆいところに手の届くより良いサービスの提供や販売促進活動にも役立つのではないかと思うのです。」と、営業サポート/ワークフローコーディネーター、菅原 真弓 氏は期待している。

行政や業界から高い評価

日本メドトロニック株式会社様インタビュー

2010年7月1日のオープン以降、トラブルもなく安定して稼働している。

--「発表以来業界からは大きな注目を集めましたし、行政機関にも説明に上がりましたが、大変高い評価をいただいております。」と、松尾氏はシステムに満足している。

--「日立ソリューションズ東日本には大変お世話になりました。優秀なエンジニアの方ばかりで、どのような相談や問題も確実に解決していただきました。これからのフォローもよろしくお願いします。」と、菅原氏は評価と今後の抱負を語る。

新システムはお客様サービスの充実や拡大のインフラであって、本格的な活用はこれからである。

--「当面は会員増加が大きな目標です。そのプロモーション方法も含めて提案いただけたらと希望しています。システムの価値を最もよく知っているのは、開発したベンダーだからです。」と、藤本氏は訴える。

日本メドトロニック様では完成したサービス基盤とその仕組みを、病院や救急隊で使用されているAED以外の製品にも展開する準備を進めている。これもあって日立ソリューションズ東日本と「SynViz/DM」には大きな期待が寄せられている。

お客さまプロフィール

日本メドトロニック株式会社ロゴ

社名

日本メドトロニック株式会社

設立

1975年11月7日

本社

〒105-0021 東京都港区東新橋2-14-1 コモディオ汐留

従業員数

855人(2010年9月1日現在)

日本メドトロニック様は1975 年の設立以来30 年以上にわたり、生体工学技術を応用し、慢性疾患をお持ちの方々の痛みをやわらげ、健康を回復し、生命を延ばす医療機器の提供を通して人類の福祉に貢献することを目指しています。
同社が提供する先端医療技術は、心臓疾患をはじめ、パーキンソン病、糖尿病、脊椎疾患、脳疾患、慢性的な痛みなど慢性疾患を広くカバーしています。

ライフパック1000
ライフパック1000

販売名:ライフパック1000
医療機器承認番号:21900BZX00792000
高度管理医療機器/特定保守管理医療機器

日常点検のお願い!

AEDは救命処置のための医療機器です。AEDを設置したら、いつでも使用できるように、AEDのインジケータや消耗品の有効期限などを日頃から点検することが重要です。
●電極パッド、バッテリは有効期限があります。
●電極パッドは再使用できません。
●AEDに不測の事態が発生した時、譲渡時、廃棄時には、製造業者又は販売業者にご連絡ください。
●添付文書をお読み下さい。
●1歳以上8歳未満の小児には、小児用電極パッドを使用して下さい。

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