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日立ソリューションズ東日本

エスエス製薬株式会社 様

エスエス製薬株式会社 様

医薬品、洗剤、化粧品、塗料、化学繊維、プラスチック、合成ゴムなど、製造工程で化学物質を取り扱う製造業は多い。
化学物質はその取扱いから保管、廃棄にいたるまで、厳重な法規制と万全な体制で管理されている。膨大な種類の化学物質を取扱うグローバル製薬企業ベーリンガーインゲルハイムのグループ会社の一つであるエスエス製薬株式会社様(以下、エスエス製薬様)が新たに採用した管理システムソリューションが、日立ソリューションズ東日本の提供するドキュメント管理システム『SynViz/DM』であった。
『SynViz/DM』は、デジタル化できるものであれば、あらゆる対象の管理が可能だ。また電子フォーム機能を利用することで、管理画面を自由に設計できるため、従来の業務の進め方をほとんど変更が不要なシステムの構築を実現した。管理対象を幅広く設定できるため、同社では『SynViz/DM』の横展開が検討されている。

導入のポイント

  • より効率化するため旧システムの刷新を検討
  • 電子フォーム機能によりオリジナルの管理画面を容易に作成可能
  • 医薬に強いスタッフでプロジェクトチームを構成
  • 旧システムとほとんど同じ操作性を再現するシステムを構築

導入の効果

  • 入力ミスを大幅に削減
  • Webシステムにより効率的で安全な一元管理を実現
  • ブラックボックスの可視化を実現

お話を伺った方

お話を伺った方

【写真左から】
エスエス製薬株式会社 執行役員 研究開発本部 本部長代理 坂井 裕貴 氏
ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社 情報システム本部 システムソリューションズ部
RDM/CRMシステムズグループ ISアナリスト 横谷 哲広 氏
エスエス製薬株式会社 製剤研究部 製剤研究課 主任研究員 博士(薬学) 宮台 信男 氏
エスエス製薬株式会社 製剤研究部 部長 池田 保夫 氏
エスエス製薬株式会社 コミュニケーション部 町田 智恵子 氏

OTC薬でセルフメディケーションを支援

エスエス製薬株式会社様インタビュー 坂井氏
坂井氏

「イブクイック頭痛薬」「エスタックシリーズ」「ハイチオールCプラス」「ハイチオールB」「スルーラックS」「エスカップ」…。テレビCMでもお馴染みのこれらOTC医薬品や医薬部外品などを製造・販売しているのが、エスエス製薬様である。うさぎのマスコットキャラクター「ピョンちゃん」を思い浮かべる人もいるかもしれない。

--「エスエス製薬は、薬局・ドラッグストアで販売されている医薬品、すなわちOTC医薬品(一般用医薬品)の専業メーカーです。ベーリンガーインゲルハイムグループの一員としてコンシューマーヘルスケア事業の一翼を担い、スイッチOTC薬の開発にも注力しています。今後も一貫して生活者の健康に関するニーズにお応えしていきます。」と、同社 執行役員 研究開発本部 本部長代理 坂井 裕貴 氏は語る。

OTC薬とは、薬局やドラッグストアなどで処方箋なしで購入できる医薬品であり、スイッチOTC薬とは、医療用医薬品の成分をOTC薬に転用し製品化し発売しているものである。従来品よりも優れた効果があり、医療用として十分な実績があり、比較的副作用の心配が少ないなどの要件を満たしたものが認可をうけ、製品化される。

エスエス製薬株式会社様インタビュー 町田氏
町田氏

同社におけるスイッチOTC薬の歴史は1985年、イブプロフェンをスイッチした解熱鎮痛剤「イブ」にさかのぼり、その後も胃腸薬「ガストール」、総合かぜ薬「エスタックイブファイン」、外用消炎鎮痛剤「イブアウター」など、さまざまなスイッチOTC薬を発売している。

そして2011年10月、アレルギー専用鼻炎薬「アレジオン10」を発売した。

--「アレジオン10は、1994年に日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社から発売され、アレルギー性鼻炎の治療などに現在も幅広く使用されている医療用医薬品の成分(エピナスチン塩酸塩)を初めてスイッチしたOTC鼻炎内服薬です。アレルギー性鼻炎症状に優れた効果を発揮すると共に、眠くなりにくいという大きな特長をもっています。しかも小粒で飲みやすい上、服用は1日1回1錠で済むので、飲み忘れを減らし、かつ服用しやすいという点で利便性も高くなっています。」と、同社 コミュニケーション部 町田 智恵子 氏は新製品の特長を語る。

アレルギー用薬「アレジオン10」(第1類医薬品)
アレルギー用薬「アレジオン10」(第1類医薬品)

化学物質管理システムの課題

エスエス製薬株式会社様インタビュー 宮台氏
宮台氏

同社において新薬の開発を担っているのが成田研究所である。最先端の情報やノウハウを確保し、「市場創造型」新製品の開発に取り組んでいる。その過程で義務づけられているのが化学物質の管理だ。

--「化学物質は危険性を伴うため、二重三重の法規制により、万全な管理体制が必須となっています。」と、同社 製剤研究部 製剤研究課 主任研究員 博士(薬学) 宮台 信男 氏は語る。

いつ、誰が、どれだけの量を購入し、どのような状態で、どこに保管したか。また、いつ開封し、どれだけ使用し、残りをどこにどのように保管したか。さらに廃棄・最終処分にいたるまで、完全に管理しなければならない。管理対象となる化学物質の種類も膨大であることから、研究所ではシステム化して管理していたが、そのシステムの刷新が課題となっていた。

--「従来のものは社内のシステム担当者が開発したオリジナルシステムでした。古いシステムだったため、ドキュメントが整備されておらず、担当者以外にはブラックボックスな部分がありましたし、その担当者が異動すると、誰も手を付けることができなくなる危険性もありました。」と、今回開発を担当したグループ会社のベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社情報システム本部システムソリューションズ部 RDM/CRMシステムズグループ ISアナリスト 横谷 哲広 氏は語る。

卓越した柔軟性で『SynViz/DM』を採用

エスエス製薬株式会社様インタビュー 横谷氏
横谷氏

基幹システムを再構築するため、インターフェースに修正が必要となったこともあって、2010年ごろからシステムの刷新が検討されるようになった。日立ソリューションズ東日本に相談を持ちかけたのは2011年1月のことである。

--「日立ソリューションズ東日本は、エスエス製薬お客様相談室の『製品情報システム』を『SynViz/DM』で構築しており、その機能性や使いやすさを認識していました。同じソリューションで、同社なら要求に即した提案が得られるのではないかと思いました。」(横谷氏)。

『SynViz/DM』はドキュメント管理システムであり、業務の工程で発生したさまざまな成果物を、効率的に登録・検索・閲覧・編集・バージョン管理ができる。さらに電子フォーム機能を利用することでオリジナルにフォーム画面を作成して入力、管理が可能だ。このため、ドキュメントに限ることなくデジタル化できるものであれば、あらゆるデータの履歴管理ができる。

エスエス製薬株式会社様インタビュー 宮台氏

お客様相談室ではこの電子フォームを利用して、FAQやお客様から寄せられた声などを登録・管理していた。そのため同じように、化学物質も管理できるだろうと考えたのである。

--「試作の画面周りを見ただけで、操作性の良さがわかりました。加えて『人』です。医薬業界に強い人が多く、のみ込みが早い。当社の要求を素早く理解し、最適なシステムを構築していただきました。」と、宮台氏は日立ソリューションズ東日本の担当者を高く評価する。

--「化学物質管理の専用パッケージも検討しました。求められる機能はそろっていますが、当社独自の言葉や使い慣れた操作性とは異なる点が多くありました。その点『SynViz/DM』は、従来とほとんど同じ操作性を再現する柔軟性を持っていました。このカスタマイズ性に魅力を感じました。またWebシステムのため一元管理ができることも決め手の一つになりました。」と、横谷氏も『SynViz/DM』の優位性を認める。

化学物質の効率的で安全な管理を実現

エスエス製薬株式会社様インタビュー 池田氏
池田氏

2011年3月に『SynViz/DM』の採用が決まり、要件定義に入る。基本設計を4月から開始し、5月から構築とデータ移行。その後テストを経て、8月にカットオーバーした。医薬業界を熟知したスタッフがプロジェクトを組み、スケジュールを遅延することなく稼働することができた。
操作性が大きく変わらないため、ユーザー部門には戸惑いがなく、通常どおりに業務を継続できた。

購買システムと連携することで、納品と同時に関連情報が転送され、それからラベルを出力。該当する化学物質に貼り付け、格納場所等を登録する。以降、使用あるいは移動の度に情報を更新するとともに、棚卸しでも確認する。データの収集と更新は、ハンディターミナルでラベルを読み取ることで、効率的に行うことができる。
化学物質によって異なる管理方法も、画面から確認できる。登録や更新が大幅に効率化されるとともに、入力の漏れがなくなり情報が正確になった。

--「メンテナンスがしやすくなりました。機密情報についても、権限設定により情報漏洩を防ぐことができます。また、これまで設計書などのドキュメントもなくブラックボックスだったシステム内部が可視化できるようになりました。入力ミスも大幅に減りました。今までは入力ミスを見つける度にユーザー部門に訂正をお願いしていましたが、明らかなミスは管理者側で修正することもできます。」
と、宮台氏は効果を語る。

--「化学物質には使用期限や廃棄処理の方法、棚卸しの義務など、徹底した安全性が求められています。その安全性を支援すること。さらに、管理を効率化すること。今回の刷新でこれら両方を実現することができました。」と、同社 製剤研究部 部長 池田 保夫 氏も効果を認める。

『SynViz/DM』の横展開へ

エスエス製薬株式会社様インタビュー

--「『SynViz/DM』はドキュメント管理システムのため、この機能を利用して、関連するMSDS(製品安全データシート)、取扱説明書、有毒性情報などをひも付けて登録し、必要に応じて参照できるようにしたいです。」と、宮台氏は残っている課題を語る。

--「今回は研究所に導入しましたが、化学物質は他の部門でも使っており、厳密な管理が求められます。構築したシステムを今後は社内で横展開していきたいと思います。さらに、『SynViz/DM』は化学物質に限らず幅広くいろいろなものを管理できるので、管理対象の拡大も検討しています。」と、横谷氏は今後の抱負を語る。

エスエス製薬株式会社様インタビュー 坂井氏

また、池田氏も今回のシステムを高く評価する。
--「大変いいシステムを構築していただきました。日立ソリューションズ東日本には本当にお世話になりました。毎週のミーティングも設けていただき、きめ細かく対応してもらいました。」

坂井氏は、--「医薬品は研究開発時に限らず、膨大な量の情報が発生しますし、必要となります。関連する規制も大変多い。これらを一元管理できるシステムがぜひ欲しい。研究、開発、仕入れ、製造、販売、お客様サービス。あらゆる情報を自由に見える化できればと思います。その第一ステップとして、今回はいいトライになりました。」と、今後の展望を語る。

残された課題や展望を実現するため、日立ソリューションズ東日本の挑戦は続いていく。

お客さまプロフィール

エスエス製薬株式会社ロゴ

社名

エスエス製薬株式会社

創業

1765年(明和2年)

設立

1927年(昭和2年)

本社

〒103-8481 東京都中央区日本橋浜町2丁目12-4

資本金

101億7200万円

エスエス製薬様は、すべての人々の健康を願うOTC医薬品(一般用医薬品)を製造・販売する製薬会社として、1765年の創業以来、健康へのニーズに応えるさまざまな製品を提供しています。
現在は、世界の製薬企業トップ20のひとつであるベーリンガーインゲルハイム グループの一員としてコンシューマーヘルスケア事業の一翼を担い、生活者の視点に立った新しい価値の提案に取り組んでいます。
製品を通じ、セルフメディケーションを支え、ひとりひとりの笑顔あふれる生活に貢献しています。

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