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日立ソリューションズ東日本

進捗率の計算方法は?プロジェクト現場で
頻発する90%シンドロームへの対処法も

工程管理・プロジェクト管理業務を効率化する
プロジェクト管理システム「SynViz S2」

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進捗率を正確に知ることは、プロジェクトやタスクの終了見込み時期を測るのに、最適な指標となります。ほかにも、業務状況に負担の偏りがないか、業務の優先順位が変わっていないかといったことも把握できるでしょう。1つのプロジェクトの進み具合を関係者全員で正しく共有するためにも、進捗率の正しい計算方法や進捗率を知る際に発生する問題点を知っておくことが大切です。

当記事では、進捗率の計算方法や、現場内で頻発する「90%シンドローム」という問題について解説しています。参考にして、プロジェクトの遂行にぜひ役立ててください。

進捗率とは

進捗率とは、作業がどの程度進捗しているのかを数値で示した度合いのことを指します。進捗率を知れば、現在着手している業務がどの程度進んでいるかを知ることができ、プロジェクトの納期遵守に向けた対策を立てやすくなるでしょう。つまり、進捗率を定期的に確認する仕組みを作っておけば、自然とプロジェクトの遅れを防ぐことが可能です。

進捗率の管理を行えば、以下のような効果を得ることにもつながります。

  • 各作業・業務の優先順位が明確化する
  • 業務負担の偏りがなくなる
  • 遅れなど問題点や・ミスの早期発見につながる
  • 各従業員のプロジェクト達成に対する意識が向上する

達成率との違い

進捗率と似た言葉に「達成率」があります。達成率とは、予算や目標に対して、結果や実績がどの程度実現したのかを測る数値です。
達成率は進捗率と混同しやすいため、以下で示す違いについて知っておきましょう。

  • 進捗率:作業・業務に対する進み度合いを測る数値
  • 達成率:予算や目標に対して、結果や実績がどの程度実現しているのかを測る数値

つまり、「何を知りたいか」によって進捗率と達成率は使い分けられます。目標に対して日数分均等に進行予定を分割して、現時点でどこまで進でいるのかを確認するのが進捗率です。最終的な目標に対して、現時点でどれだけの実績が出ているのかを確認するのが達成率になります。

進捗率を計算する方法

進捗率は、計算式を使って算出できます。ただし、計算式を活用するには、「目標」と「実績」を把握しておく必要があります。

「目標」は営業売上なら金額、製造数なら個数のように、測る際の業務内容によって対象が変化するため、柔軟に目標の設定を行わなくてはなりません。もし、数値で表せない作業の目標を決める場合は、最終的な終了時点を仮に100として設定しましょう。

「実績」は、目標に対して現在の数値がどうなっているかを示すものです。具体的な数値で出せる場合はそのまま使用し、難しい場合は目標を100で仮設定したものに対して、どの程度の実績かを数値化してください。以下では、これらのことを踏まえて進捗率の計算式を解説します。

全体目標に対する進捗率

全体目標に対する進捗率を求める計算式は、以下のとおりです。

【 進捗率の計算式 】
 実績÷目標×100=進捗率 (%)

具体的な数値があるパターンと、数値がないパターンの2つを例に、計算式の使い方を以下で解説します。

【 具体的な数値があるパターン 】

営業部門で、1カ月の売上の全体目標設定が100万円。20日経過した時点で140万円の売上をあげている。
この場合の計算式は、以下のようになります。

「 140(実績) ÷100(目標) ×100=140% 」

進捗率は、進みがよい場合には100%を超える場合もあるため、それを知っておかないと100%を超えた場合に混乱してしまうので注意してください。

【 具体的な数値がないパターン 】

ある工事で、最終的な工事完了日が1カ月後に設定されている場合。この設定の場合は、まず「1か月後に完了」という目標を100と仮設定する必要があります。そして、100を1か月(30日設定)で均等に分割して、その時点での実績を数値化しましょう。
※100という数値も基本的には曖昧ですが、現場の経験則などから数値化して計算しやすくなるように工夫してみてください

上記の作業ができたら、計算式にあてはめて計算してください。

「 数値化した実績÷仮設定した100×100=進捗率 」

進捗率が進まない「90%シンドローム」とは

「90%シンドローム」という言葉は、プロジェクトの進捗率を尋ねられたときに、「進捗率は90%です」と報告してしまう謎の現象を俗語化したものです。「悪い報告をしたくない」という人の心理状態が生み出す現象で、正確な進捗率を測れない原因として問題視されることもあります。

進捗率は、業務改善をするためのきっかけとして作用する場合もあり、正確な報告がされないと後に重大な納期遅れを発生させる可能性が生まれてしまいます。もし、実際に自社でそういった現象が起きている事実があるようなら、早急に対処法を実施する必要があります。
次の章で解説する「90%シンドロームの対処法」を参考にしてみてください。

90%シンドロームの対処法

90%シンドロームは、適切な対処法を知っていないと解決に至らないので、注意してください。
以下の対処法を参考に、実際に取り組んでみましょう。

【 90%シンドロームの対処法 】

  • 進捗の基準を設定する
  • バッファを設定する

明確な進捗基準を設ければ、曖昧な報告をする事態を防げます。また、こまめに報告する機会を作ることで、報告される側も進捗率の微妙な変化や違和感に気づきやすくなるでしょう。

進捗の基準を設定する

進捗の基準をしっかりと定義できていれば、それに基づいて進捗率を報告することになるため、曖昧な数値を報告することがなくなるでしょう。また、当記事で紹介している「進捗率の計算式」を使うには、目標と実績が正しく数値化されていないと算出できないので、具体的な基準を設けて数値化してください。

基準値は、出来高を数値化するのですが、時間を基準にしたり工数を基準にしたりとさまざまであるため、自社の業務の特性に応じて、最適な基準値を設けるようにしましょう。

バッファを設定する

バッファは「余裕」という意味をもっており、ビジネスの世界では余剰期間などの意味で使われたりします。バッファを最初の見積段階で設定することで、想定外のトラブルに対応できる余裕が生まれ、担当者からの進捗率の報告で90%シンドロームが発生しづらくなります。
バッファの設定は、各タスクの後ろに設ける方法と、CCPMというプロジェクト全体の後ろにまとめて設ける方法の2種類があります。
当記事ではCCPMの選択を推奨しています。

各タスクの後ろに設けると、1つのバッファを超えるほどの遅れが出た場合、結果としてすべてのバッファを調整する事態を招いてしまいます。
しかし、全体の後ろに設ければ期間的な余裕も大きいため、遅れが発生しても比較的対応しやすい特徴があります。

進捗率の管理にはプロジェクト管理ツールがおすすめ

進捗率の管理は、計算式を活用してアナログで管理できますが、管理ツールを活用するのもおすすめです。
管理ツールを活用すれば、効率よく管理できるフォーマットが使えたり、プロジェクトの進捗率を組織全体で把握できたりします。

プロジェクト管理ツールには、「クラウド型」と「インストール型」があり、最近ではクラウド型が一般的です。クラウド型なら特別導入する機器もないため、導入ハードルが低いです。以下で示すプロジェクト管理ツールの機能を把握して、ぜひ導入を検討してみてください。

【 プロジェクト管理ツールに搭載されている機能 】

従業員の業務実績を管理する機能
タスク、課題、日報など目標に対して従業員の業務がどのくらい進でいるかを、一括管理できる機能です。簡単に進捗状況を把握できるため、個々の課題点も明確になりやすい特徴があります。
製品などのモノを管理する機能
この機能ではプロジェクトに関わるあらゆる「モノ」の管理をすることができます。製造業などにおいては、在庫数管理やプロセス管理が進捗率に関わってくるため、重要な機能となっています。
お金の動きを管理するツール
プロジェクトに関わるお金の動きを管理する機能です。予算管理、経費管理、購買管理などお金が動く部門の管理が一括で行えるため、売上の進捗率などが把握しやすくなります。

まとめ

進捗率とは、作業がどの程度捗っているかを表した数値のことを指します。進捗率を把握することで、プロジェクトの期日を遵守することにつながったり、従業員の作業負担の偏りの改善や業務の遅れを早期発見できたりするメリットがあります。
進捗率は基準を設けたうえで、数値にして正確に出すのが望ましいです。基準を設けないで進捗率の報告を従業員に求めると、「90%シンドローム」という現象が発生する可能性が高まります。正確な進捗率を知ることに意味があるので、このような問題が発生しないように工夫することが大切です。

もし、進捗率の管理がうまくいかないといった悩みがあったり、不安要素があったりする場合には工程管理ツールを利用するのもおすすめです。日立ソリューションズ東日本が提供しているツール「SynViz S2」は、進捗率の定義(計算方法)を複数提供しており、工程(作業)の性質に応じて決めることができ、工程管理・プロジェクト管理業務を効率化できます。
このツールは、Excelのように使いやすいため、管理がとても簡単です。導入してもすぐに利用して運用することができるでしょう。ほかにも、社内システムと柔軟に連携できる特徴があり、非常に使い勝手のよい管理ツールとなっています。

※Excelは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

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