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日立ソリューションズ東日本

ニュースリリース2016年

「製造業における在庫にまつわる課題の動向調査」
計画精度の低さ、属人的な対応、需要変動が在庫過多を引き起こす

【2016年3月24日】株式会社日立ソリューションズ東日本(本社:宮城県仙台市、取締役社長:八田 直久)と株式会社ジェムコ日本経営(本社:東京都中央区、代表取締役社長:佐藤 葵 以下、ジェムコ)は、製造業及び一部流通業の主な経営課題である、適正在庫にまつわる問題点について1年に渡りセミナーを展開し(動員数:366名)同時に、在庫に纏わる課題を調査してきた結果をレポートとして発表します。
【調査概要】
期間2015/2/27-2015/12/12 調査方法 セミナー来場者のアンケート 回答総数260名(N=260)
属性 末尾ページに記載

1.在庫にまつわるオペレーション面の課題

在庫に関するオペレーション面での課題は何かという質問に対しては、「在庫過多」との回答がもっとも多く、その要因として大きいのは「販売計画精度の低さ」と回答したのが36.2%、ついで「属人的なオペレーション」によって、組織横断で在庫を最適化ができていないと回答したのが31.9%、「需要変動が大きいことにより在庫を持たざるをえない」と回答したのが30.4%となった。

製造業における在庫にまつわる課題の動向調査

【計画】販売計画(見込み)の精度が低い 【属人】業務が特定の担当者に依存している
【変動】販売数のバラツキが大きく、在庫を持たざるを得ない  【欠品】欠品が発生する
【廃棄】製品廃棄が発生する 【可視化】在庫の状況がタイムリーに把握できていない
【品目多数】全ての製品の調整に手が回っていない 【工数】調整業務処理に手間と時間がかかる
【新製品】新製品の販売計画と実績が大きく異なる(計画の精度が低い)
(複数回答有)

ジェムコ日本経営 執行役員 コンサルティング総括 土屋 和広.(工学博士)は、以下のように評価している。

在庫と需給計画/調整の課題に係る所感

一言で言えば、需要変動という外部要因と、生産設備や製造ラインの制約などの内部要因との間に発生する歪を、柔軟に、しかも迅速に最少化/解消する仕組みがなく、人に頼らざるを得ない問題が一番大きいと考えられる。

属人的なオペレーショの問題と課題

ここで問題なのは、在庫計画と言う企業経営に係る重要な業務を人、ひどい場合は現場の担当に任され、そこに一貫した考え方とロジックがないことと言える。つまりその会社の経営の一部は現場担当の裁量によって行われていることが問題と言える。ここで本来ロジックは、見える化⇒分かる化⇒はかる化(定量的に比較できる)が出来ることが重要となる。

変動への対応ポイント

変動を受け入れていかに柔軟で迅速なモノづくり(供給)の仕組みをつくるかが肝要と言える。その場合、変動内容を分けてそれぞれの変動に対してそれぞれ的確な仕組みを作ることがカギとなる。たとえばキャンペーンなどは予めわかる変動であり、分かるもの分からないものに分けてオペレーションすることが重要である。

計画における問題と課題

あるべきは、一つ一つの単品の需要特性と全体の需要と供給を加味し、在庫戦術と計画を立てることであるが、その際、膨大な在庫品目全てに人間が目を向けることができない。従って、自動化できることと、人間が判断・調整することを見極め、計画立案することが不可欠となる。

(株)日立ソリューションズ東日本 パッケージビジネス推進本部本部長内海由博氏は以下のようにみている。

需給調整の現場はイレギュラー処理への対応に追われている

販売見通しを立て生産や調達量を調整し、その計画に基づいて実行していくが、その過程においては様々な調整が必要となる。需要の増減や調達・生産の遅れ、数量の変更などが発生し、現実は当初の計画通りに進まないことが多い。そのため需給調整の現場はイレギュラー処理への対応を余儀なくされている。
むしろこうしたイレギュラー処理が業務の中心となり、業務時間の大半が割かれている現実がある。現場では、「状況変化を加味した需給計画を立案する」という本来の業務に十分に時間を割けないため、様々な問題が発生している。例えば、需要の増減を確認する時間を十分にとれず、調達手配を「いつも通り」の量で行ったり、生産依頼を「いつもの通り」の量・頻度で行ったりするため、実際の需要の動きに追随できず欠品や在庫過剰を招いているケースは少なくない。イレギュラー処理の業務は大半が緊急対応を要するため、扱い量の大きい定期発注のようなルーチン業務の優先度が下がったり、数量の見直しや調整が疎かになる傾向がある。これが次のイレギュラー処理を誘発する原因となり、負のサイクルに繋がっている企業も見受けられる。

システム化によって業務効率化とイレギュラー事象の発生頻度の低減を図る

要員を十分に確保して人海戦術でイレギュラーな対応をこなしている企業においても、システム化によって業務効率化とイレギュラー事象の発生頻度の低減を図ることで、業務の安定化と収益性の改善ができる余地は大きい。しかし、重要なオペレーションである需給調整業務に対し、多くの情報システムは必ずしも十分に対応しておらず、Excelなどの汎用ソフトウェアを利用し担当者の力量に任されている現状をよく目にする。数百から数千というSKUを一人の担当者で扱う事も少なくなく、効率と精度の両面から、ITによる支援を強化すべきである。

2.在庫にまつわるデータ管理/分析上の課題(複数回答有)

在庫にまつわるデータ管理/分析上の課題について、「大量業務データの解析」、「顧客特性分析」、「品質情報分析」のうちどこに課題があるか聞いたところ、21.2%が大量の業務データの分析に困っている結果が出ている。とくに消費財に関する製品はSKUが数億になる場合も珍しくなく、Excel等の表計算ソフトで管理できる範囲を超えており、一部商品の在庫と需給状況の分析にとどまっている。それゆえ、正しい判断が出来ていないという問題がある。いわゆるビッグデータ問題である。

製造業における在庫にまつわる課題の動向調査

(複数回答有)
<注記>SKU(Stock Keeping Unit)在庫管理する商品単位です。「単品」と呼ぶ企業もある。
例えば靴下のサイズがS、M、Lとあった場合、靴下-Sサイズで1SKとなる。

3.在庫にまつわる組織/取り組みについて

在庫にまつわる組織/取り組みについての課題について、「在庫の責任部署が明確になっていない」、「在庫適正化に向けたプロジェクトを組んで取り組んでいる」、「そのほかの取り組みをしている」、のいづれかと問うたところ、在庫の責任部署のあいまいさについて課題だと答えたのが15%、在庫適正化についてプロジェクトとして取り組んでいるのが12.3%と出ている。つまり「1.在庫にまつわるオペレーション面の課題」にあるように在庫過多に問題があると回答しているのが37.3%もあるのに、本格的に取り組んでいない、取り組みが不十分であると感じている実態が分かった。

製造業における在庫にまつわる課題の動向調査

4.在庫問題に関する代表的な悩み(具体的な声)

-適正在庫量が定義できていないため、在庫の異常が判別できない(個別受注機械メーカー、生産管理部)
-アイテム数が多く全ての製品の調整に手が回っておらず、需給調整が難しい、顧客特性分析が上手く出来ず在庫が増える(食品材料メーカー、SCM部)
-大量の商品群の中での在庫過多に関する解析が困難で、需給調整が難しい(医療機器メーカー 開発部)
-保守部品(消耗品、定期交換部品、有寿命品)海外では、廃棄する習慣がなく在庫が増える。自動発注(発注・注文処理の効率化)ができない。(精密機器メーカー グローバル保守サービス部)
-工場が部品在庫をマネージできていない。(自動車部品メーカー グローバル生産統括部)

5.回答者属性

製造業における在庫にまつわる課題の動向調査

★部門属性

製造業における在庫にまつわる課題の動向調査

ビジネス概況

2015年2月~2016年2月までの、両社の受注額が5000万円。今後、HSEとJEMCOは、大手物流会社と組んで、仕組みを活用し倉庫と配送と在庫を適正化するコンサルティングも含む総合サービスを提供予定。この新サービスを開始することで、2016年4月以降2年間で2億円の受注を目指します。JEMCOは、新たなサービス展開として、倉庫等、物流拠点集約による在庫削減、物流・配送の最適化、業務集約(人員削減)・効率化を狙った「拠点集約!ズバリ診断サービス」を2016年夏から提供開始を予定。
以上

会社概要

株式会社ジェムコ日本経営について (2016年3月現在)

-URL:https://www.jemco.co.jp/
-創立:1968年2月  -社勢 120名 -代表取締役社長 佐藤葵
-本社:〒104-0061 東京都中央区銀座6-13-16 TEL:03-5565-4101 FAX:03-5565-4185
-国内の独立系コンサルティングファーム。経営戦略から現場改善、人材育成等企業課題解決に向けたコンサルティングサービスを提供。コストダウン、在庫削減、生産性向上といった、定量的成果にこだわったコンサルティングに強みを持ち、47年間、製造業を中心に、国内外約16500件、延べ4,600社以上のプロジェクト実績がある。

株式会社日立ソリューションズ東日本について(2016年3月現在)

-URL:https://www.hitachi-solutions-east.co.jp/
-創立:1984年5月 -従業員数 991名 -取締役社長 八田 直久
-本社:〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町2-10-10 TEL:022-266-2170 FAX:022-266-2344
-日立ソリューションズ東日本は、製造・流通・金融・公共などあらゆる業種における「PLAN(戦略系・計画系)、DO(実行系)、 SEE(可視化系・分析系)」の業務サイクルを網羅する先進的ソリューションを持つ総合システムインテグレーター。常に国内外の優れた取組みに目を向け、お客様のニーズをしっかりと酌み取り、お客様、その先のお客様のご満足にまで想いを馳せたソリューションサービスを提供している。

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