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日立ソリューションズ東日本

テクニカルレポート第14号

2013年1月1日までに発表された論文については、本文中の記載が旧社名になっております。ご了承ください。

生産,販売,在庫3部門のコミュニケーション 促進によるKPI整合支援技術

生産,販売,在庫(PSI) は製造業の最も重要な機能であるが,各機能を管掌する部門間の調整が難航する場合が多く見られる。これは業務の実行時指標であるKPI が各部門で互いにトレードオフの関係にあり,ある部門のKPI を増加させると他の部門のKPI が低下してしまうという状況が発生するためである。同一の企業内にある複数の部署でKPI が相反するのはごく自然な現象であり,特に業務改善,最適化が進んでいる先進的な企業ほど,このような状況が多く見られる。KPI のトレードオフ自体を解消することは難しいが,各部署で情報を共有し計画と実績に関するコミュニケーションを密接に行うことで,企業全体として最適な状況を作り出すことができる。そこでPSI に関するコミュニケーションを支援するPSI Communicator の試作を行った。本ソフトウェアはPSIの計画,実績,見込の可視化により,各部門のKPI の整合化をはかる。

プロジェクト管理における「見える化」ソリューションの展開 ~ 進捗・成果物の可視化と共有 ~

(株)日立東日本ソリューションズ(日立TO)は「見える化」ソリューションの中核となる「SynViz シリーズ」の製品として,2006 年に工程管理システム SynViz/DP をリリースした。その後ソリューションの強化と業種別ソリューション事業の加速化のために,プロジェクト管理システムSynViz/PJ と,成果物管理システムSynViz/DM を新たにリリースした。これにより,進捗管理と成果物管理を一体化でき,可視化と共有化が実現することで付加価値の高いソリューションを展開することが可能となった。本論文では,SynViz/DP,SynViz/PJ とSynViz/DM の製品連携による「見える化」ソリューションの内容・適用事例を述べる。

金融業における「見える化」ソリューション事業の展開 ~金融BI/PM 事業への取り組みと展望~

国内の金融機関におけるBusiness Intelligence(以下,BI)は,外資・大手を中心に浸透してきており,コーポレートワイドにおける全社業績管理(Performance Management,以下,PM)を実現させ,迅速,かつ明確な意思決定を可能とする取り組みが広まってきている。当社は,これまで大手金融機関を中心に,統合された情報基盤の整備,BI を用いた情報活用基盤の提供を行なってきた。本報告では,全社業績管理に向けたBI/PM の展開方法を定義するとともに,当社の金融BI 事業への取り組みを述べる。

サムネイルを用いた在庫推移可視化による在庫異常早期検出支援技術

製造業では,在庫の適正な削減が利益向上の一つの大きなキーポイントである。しかし,主に消費財を扱う製造業では,扱う品種の数が2,000~3,000 にものぼるため,人が判断する場合は,その中からどの商品の在庫が異常になっているのかを特定することは容易ではない。そこで,在庫の推移をサムネイルの画像で一覧表示し,そのグラフの形状を目で見て異常を検知しやすくする技術を開発した。本技術をベースにプロトタイプを試作し,消費財系製造業の実際のデータで評価を行った。その結果,本技術の有効性を確認した。

時差およびバイアスを考慮した新製品の需要予測モデル

製造業者にとって,製品の在庫を適正水準に保つことは経営上重要である。適正な在庫水準は適切な生産計画によって実現される。適切な生産計画の立案には,製品の正確な需要予測が不可欠である。特に,市場に投入したばかりの新製品については,統計的な需要予測手法の適用が困難であるため,普及モデルによる理論的な予測が有効である。しかし,予約販売や先行販売のように,製品普及過程の前提を満たさない販売方法がとられた新製品では,従来の普及モデルを適用しても高精度の予測は得られない。そのため,このような予約販売や先行販売が行われる新製品でも,高い精度で予測できる手法が求められている。本報告では,時差とバイアス項を普及モデルに追加し,予約・先行販売のある新製品にも適用できる新しい普及モデルを開発した。実際の新製品の実績データを用いた予測精度の評価実験により,新しい普及モデルが従来の普及モデルよりも高い精度で予測できることを確認した。

SynCAS/SynPIX を核としたグローバルSCM 支援システムの構築

精密機器製造業A 社に対し,販売計画ソリューションSynCAS,生産計画ソリューションSynPIX を適用したグローバルSCM (Supply Chain Management)ソリューションを構築して,企業における販売計画から生産計画の中枢となる一連の計画業務システムを実現した。さらに,実行系の基幹システム(Enterprise Resource Planning, ERP)とも密に連携してグローバル展開されたサプライチェーンの状況をより早く察知し,市場の需要変動に,すばやく,適切な在庫で対応可能なシステムを構築した。本SCM ソリューションの提供により,販社の在庫を削減し,顧客への納入リードタイムの短縮と,需要変動への対応のスピードを向上する仕組みを実現した。

情報持ち出し申請システムによる情報漏洩防止ソリューションビジネスの展開

(株)日立東日本ソリューションズ(以下,日立TO)では,情報漏洩対策としてPC 端末のシンクライアント化を推進するとともに,漏洩リスクの高い USB メモリなどの可搬記録媒体の利用を制限するなどの施策によりセキュリティの向上に努めている。今般,施策の一環として「情報持ち出し申請システム」を開発した。
本システムは,可搬記録媒体による情報持ち出しに対し上長による承認を必須とする仕組みである。個人情報保護や内部統制に対する社会意識の高まりの中で,各企業・団体が情報セキュリティレベルを向上させる施策への期待は大きく,この情報漏洩防止ソリューションはそのようなニーズに対する一つの解である。
本論文では,情報漏洩動向の分析から導かれる市場ニーズとそれらを解決する情報持ち出し申請システムの概要,および情報漏洩防止ソリューションビジネスの展開について述べる。

企業の情報活用でのオントロジー技術の適用

企業ではアンケート分析や顧客の声分析などへのテキストマイニングの適用が進んでいる。しかし,意味解析技術は適用が難しい。ヘビーウェイト・オントロジーを設計・製造や品質保証に適用した成功事例がある一方,業務上の判断を支援するために大量の情報から判断の裏づけ情報を抽出するためのテキストマイニングからのアプローチはライトウェイト・オントロジーを扱うこととなり,企業で活用できるオントロジーの構築が課題である。そこで筆者らは,業務にオントロジー技術を最適化することを狙いとしてユーザニーズを収集し,日常業務を通じて半自動的にオントロジーの構築を可能とする情報共有システムを開発した。試行の結果,組織の判断スピードの向上が示唆された。

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