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Hitachi

日立ソリューションズ東日本

ポスターカレンダー1997年版

「若い女・シャツ」Young Woman,Shirt
1982年 宮城県美術館所蔵

若い女・シャツ

ホモ・サピエンスの新天地。

 その昔、森に類人猿の祖先たちが暮らしていました。森の中はそれほど強くない哺乳類が生きていくには、格好の条件が揃っていたのです。木の実や葉などの豊富な食物。うっそうと繁った木々は身を隠すのに適した空間でした。ところがある日、その中の一群が森を出て、見晴らしのいい草原に進出したのです。それが今の私たち人類、つまりヒトの祖先となったといわれています。そして森に残ったものたちが進化したのが、現在のオランウータンやチンパンジーの仲間になったと考えられています。平原に出た私たちの祖先は住む場所をどんどん開拓し、熱帯から極地に近い寒さの厳しいところまで、地球上のあらゆる場所に広がっていきました。

 本来生き物たちは、外界の自然環境に自分自身を適応させてきました。それは遺伝形質を内部から少しずつ変えていくということでもあり、気が遠くなるほど長い時間を必要としました。しかしヒトだけは、まったく異なる方法をとったのです。たとえば極寒の地に生きる生き物たちは体内に脂肪を蓄え厚い毛皮をまといますが、ヒトは毛皮の服を自ら作って着ることで対応しました。それは環境に合わせて自分の体をつくり変えるのではなく、環境に適合した文化をつくりだしていくという戦略だったのです。
文化はカルチュア、つまり「耕す」という意味から生まれた言葉だとされています。大地を耕し、作物を育てることは、地域の風土に大きく左右されてしまいます。しかしヒトはいつも新天地をめざし、時間をかけて文化を蓄積し、別の文化と出会うことで今日のような社会をつくりあげてきたのです。私たちの祖先が森から平原へ一歩踏みだしたように、ヒトはいつも未知の世界を追い求めてやまない存在なのかもしれません。

 日立東北ソフトウェアは国内外の企業との提携により、製品の輸出を実現し、いよいよ今年、本格的な海外展開を開始します。アジアをはじめヨーロッパやアメリカで、私たちのつくったソフトウェア「LoadCalc(負荷計画・納期回答支援システム等)」が、現地の工場で働く人たちのお手伝いを始めます。東北から海外へ、という当社設立時の夢がいま現実のものになってきています。地元においても「仙台市こども宇宙館」で、私たちが開発した展示システムが今春から導入されることになりました。地域社会に根をおろし、国際社会にも貢献していくという理想像に、また一歩近づいたといえるでしょう。
また自社製品開発の分野においても、昨年9月インターネットをもっと楽しく簡単に利用できるコミュニケーションツール「InternetPost2.0」(インターネットポスト2.0)を発売しました。これは一昨年6月に発売した「InternetPost1.0」の実績をベースに、さらに通信の機密性を高め、プライバシーの保護、通信費用の節約などの機能強化を図った新製品です。世界規模で広がりを見せているインターネットは将来きっと情報通信の主流となり、これまでにないネットワーク社会を実現する可能性に満ちた分野といえます。私たちはいつも、新天地を求めて歩いてきました。そしてこれからも、技術と個性を基盤に未知の領域へ進みつづける企業でありたいと考えています。

  1997年も、日立東北ソフトウェアをよろしくお願いいたします。

1997年1月4日掲載 朝日新聞掲載新聞広告より

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