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Hitachi

日立ソリューションズ東日本

ポスターカレンダー1995年版

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1967~69年 宮城県美術館所蔵

帽子・立像

ホモ・サピエンスの願い。

 世の中に芸術が存在しなくても、人間は生きていくことができるかもしれません。絵画を見なくても、音楽を聴かなくても、彫刻に触れることがなかったとしても、ホモ・サピエンスという種の存続にはさほど大きな影響を及ぼさないように思われます。けれども人間は、芸術を希求してしまう。なぜでしょうか。

 遠い遠い太古の昔、その手に道具や火を持った時、人間は壁に絵を描きつけました。人類最初の芸術作品。今日明日食べる物も満足ではなかったはずなのに。生存ということのみを考えれば、その行為はさして役に立たないはずなのに。どうして彼らは絵を描いたのでしょう。スペインのアルタミラ洞穴にその牛の絵が描かれてから、ほぼ3万年という時が流れました。その間、人間は進化し技術は進歩したはずなのに、やはり人間は絵を描きつづけます。

 人間を、他の動物と分けている要素はいくつかありますが、その一つに「未来を想う力」があります。例えば、遺伝子がヒトの1~2%しか違わないチンパンジーは、極めて近い過去と現在については高い知識をもつことが知られていますが、未来を考える能力はないと言われます。ヒトは違いました。次の狩りにはきっと獲物がとれますように。自分たちのこどもが無事に育ちますように。そんな風に、未来を願ったのでした。そしてその気持ちが、壁に絵を描かせたのです。明日を願う心があるかぎり、人間はこれからも芸術を創造し鑑賞することを、生きる糧としていくことでしょう。

 日立東北ソフトウェアは昨年十周年を迎えました。そして1995年の今年、私たちには願いがあります。それは次のステージへの第一歩を踏みだすにあたっての2つの目標です。その一つは地域社会への貢献。ソフトウェア専業メーカーとして培ってきた得意技術と製品開発力を活かし、私たちを育ててくれた東北という地域社会の発展のため、役に立ちたいということです。もう一つは海外への事業展開。自社製品の品揃えも徐々に充実し、技術支援等の経験も蓄積されてきました。そこで、今自社ブランド製品をベースに、海外での事業活動に着実な一歩を踏み入れたいと思っています。この二つの目標実現のため努力していくこと、それがソフトウェア総合エンジニアリング企業として成長していく道だと考えます。

 二十一世紀を迎えるまで、そして二十一世紀を迎えてからも、日立東北ソフトウェアをよろしくお願いいたします。

1995年1月4日掲載 朝日新聞掲載新聞広告より

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